カズオ・イシグロ、渡英57年でも日本の名残り 関係者が語る
「私の一部は、いつも日本人と思っていた」――。今年のノーベル文学賞に輝いた日系英国人のカズオ・イシグロ氏(62)は、自らの世界観に日本が影響していると会見で語る。長崎市で生まれ、1960年、5歳の時に渡英。以来、57年間でたった3回しか祖国の土を踏んでいない作家のルーツを辿ってみると……。
***
色鮮やかな山車や傘鉾が、坂の多い港町を練り歩く。法被を着た男たちの勇壮な掛け合いは、故郷が生んだ作家の偉業を喜ぶ歓喜の声と重なる。...