安藤桃子が開館した「ミニシアター」の狙い 高知で期間限定

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 日本中がメジャー映画会社の経営するシネコンばかりとなっていく今、ミニシアター、いわゆる単館系劇場を作ろうと動き出したのは、安藤桃子監督(35)。

「いまの大学生はシネコンしか知りません。映画は娯楽大作ばかりではないし、ミニシアターの面白さも知ってもらいたい」

 10月7日にオープンした映画館「ウィークエンドキネマM」。場所は高知県の高知市市街おびさんロード沿いにあるビルの中。1スクリーン、約60席。月〜木曜は午前中のみの上映で、金・土・日は夜9時まで。来年末までの期間限定だ。

「かつて高知県内には146館もの映画館があったのですが、現在は3館。でも高知の人が映画離れしているわけではなく、自主上映サークルなどの映画上映がとても盛ん。実際、私の映画『0・5ミリ』も公園での特設上映で9000人を動員出来ましたから」

 高知を舞台にしたその映画がきっかけで、監督は3年前に高知に移住。映画文化による商店街の再興、活性化を目指すという。あれ、かつて同じような話が……。

「父の奥田瑛二が、山口県下関で監督したのをきっかけに、名画座の運営をしました。家族に報告もなく始めて、家計も火の車……」

 2007年のことだ。以来6年半、奥田氏は別の映画館が出来るまで続けた。

「それを見ていたんですけどねえ、でもカッコいいと思っちゃったんですよ。今回、私がやりますと報告すると、父は『応援するよ』と。母(安藤和津)は『エーッ……やっぱりねえ』と」

 すでに奥田氏と妹で女優の安藤サクラによる活弁上映会や、奥田氏の解説による“還暦女子のための青春映画”といった企画も予定されている。

 地元民でなくとも、ちょっと見てみたい。

週刊新潮 2017年10月12日神無月増大号掲載

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