民進と希望の合流 小沢一郎は「黒幕」か「蚊帳の外」か

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 永田町は、事あるごとに「黒幕」の存在が取り沙汰される“特殊地域”。中でも30年来、繰り返されているのが「政局の陰に常に小沢あり」との“陰謀論”だ。では実際、今回の合流話、自由党の小沢一郎代表(75)はウラで両者を操ったのか。

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 実際、今回の内幕レポートを見ても、〈前原の背中を押したのは小沢〉(読売新聞)、〈最終的に舞台を整えたのは、やはりこの男だった。小沢一郎――〉(週刊現代)式の報道がチラホラ。やはり「小沢政局」との見立てが根強いのは、これまでと同じである。

 政治部デスクによれば、

「合流が決まったのは、9月26日の小池、前原、連合会長の三者会談。このうち、小沢さんは前原代表とは野党共闘をしばしば話し合う仲でしたし、連合とはもともと関係が密。袂を分かったとはいえ、小池さんも元部下ですから……」

 バックに「小沢」がいたのでは、と勘繰られる理由がある、と言うのである。

 しかし、

「私の知る限り小沢さんは合流に関わっていません」

 とはっきり述べるのは、小沢氏の「知恵袋」「懐刀」と言われる、元参議院議員の平野貞夫氏である。

「小沢さんはもともと、民進、自由、社民が合併して、その上で共産党と連携するという、4野党の共闘論者。ここに希望が入るにしても、4野党と話し合い、手を携えるべきだと言っていましたし、まして誰が良いとか悪いとか排除をするのは、政治ではない、と。仮に話は知っていたとしても、合流は前原の独断のはず」

 幽霊の正体みたり枯れ尾花。逆に言えば、小沢氏は、小池=前原ラインからはどうやら「蚊帳の外」に置かれたということである。

「その流れは今でも続いていて、『希望』サイドの議員は、小沢さんが望んだとしても、党に入れるべきではない、と強硬に主張しています。小沢さんは、今の枠組みで選挙を闘うことになるでしょう」(前出・デスク)

 と言うから、ずいぶん寂しい戦となりそうなのだ。

 もっとも、小沢代表は今回当選すれば2年後に議員在職50年となる。これは憲政史上6人目で、国会に胸像が飾られることも。

 地元・岩手3区の政界関係者によれば、

「本人はこれが励みのようで、支援者には“50年を迎えさせてください”と言って回っているとか」

 かつての「巨像」はいまや「虚像」。そして「胸像」となって、ようやく「小沢物語」に幕は引かれそうだ。

週刊新潮 2017年10月12日神無月増大号掲載

特集「小池百合子の希望・横暴・票泥棒」より

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