BIGBANGもついに全員入隊!! 韓流スターと韓国軍“ブラック兵役”緩和化の関係

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ネットの発達が与える影響

 韓国政府が芸能人に対し、兵役に対する優遇措置を講じても、彼ら自身がスキャンダルで壊してきたような印象も受けるが、前出のライターは、そうした“因果関係”を否定する。

「不祥事が偶然、連鎖してしまったと見るべきでしょう。例えばJYJのユチョンは16年、兵役の代わりになる『社会服務要員』の期間中、いわゆる風俗店を利用していたことが明らかになり、韓国世論の激しい批判にさらされました。ですがT.O.Pの大麻吸引は兵役前の違法行為です。徴兵制度に関する芸能人のスキャンダルも多種多様で、一概に兵役のストレスと断じることはできません。また韓国軍も兵役のストレスを減らす措置を実行に移してきました。60年代や70年代は上官が芸能人に暴力を振るったこともあったと聞きますが、今の韓国軍は芸能人が韓国経済を支えていることも知っています。軍隊と芸能界が対立項で語られる時代は終焉を迎えてきていると思います」

 大きいのは兵役の期間が短くなっていることだ。60年代は丸3年。90年代に2年数カ月程度となり、現在は2年を切って1年9カ月。世間から忘れ去られることを恐れる芸能人にとっては朗報であることは言うまでもない。更に「インターネットの発達」が、芸能人の不安を減少させているという。

「韓国軍も、あまりに厳しすぎる軍律を緩和しており、今では一般の兵士でも休息時にインターネットを使用することが認められています。様々なルールは存在しますが、それを守ればSNSに投稿することも可能です。兵役中であってもファンとつながるツールが誕生したことは、芸能人にとっては文字通りの福音となりました」

韓国芸能界の対応策

 一方の芸能界も、本人不在であっても活動を継続させるノウハウを構築してきたという。

「歌手の場合なら、兵役前にメンバー全員で曲を録音し、プロモーションビデオも撮影しておくわけです。俳優は難しいですが、ハードな軍役に就くことで好感度が上がり、兵役中でもCMの契約延長が行われたケースもあります。こうして今では、本人は徴兵で不在であるにもかかわらず、曲がオンエアされたり、CMがテレビに流されたりしています。芸能界で華々しく活躍することに比べれば、どうしても影響力は減少しますが、兵役による“被害”を最小限に抑えられるシステムが構築されてきているわけです」(同)

 芸能人の兵役に韓国社会が寛容な態度を示せば、「平和の成熟」を迎えたと見なすこともできる。だが、何かスキャンダルが発生すれば、再び世論は芸能人の兵役に厳しくなるかもしれない。今後も韓流スターは韓国の「保守/革新度数」を示すリトマス試験紙になるのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2017年10月12日掲載

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