「安室奈美恵」引退ビジネスが早くも開始 アルバム、タイアップ、番組配信…

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「お名残興行」

 こうした立て続けの展開が示すのは、次の事実だ。やはり引退表明前に様々なことを計算し尽くし、仕込んでいたのである。これのどこが「美談」なのか。どの辺りが「伝説」になるのか。安室の引退表明後、一部のスポーツ紙は、それを山口百恵の電撃引退になぞらえて報じた。が、安室の引退表明の背景には打算しか見えず、打算とは無縁だった山口百恵と比較するのは、山口百恵本人やファンに失礼というものである。

「山口百恵は1979年10月のコンサートで俳優・三浦友和との交際宣言をし、その約半年後に婚約発表と引退宣言。そしてそれから半年後に武道館での最後のコンサートが行われたのですが、引退宣言から最後のコンサートまで、安室のように用意周到な感じはしませんでした」(ベテラン芸能記者)

 評論家の唐沢俊一氏の話。

「日本人は“これで終わり”というのにとにかく弱い。引退ビジネスは今に始まった話ではなく、歌舞伎の世界には昔から『お名残興行』というものがある。引退を表明してから客を集め、御贔屓筋から御祝儀をもらうわけです」

 安室の「お名残興行」はまだ始まったばかり。その好調な滑り出しを眺めて、“興行主”はほくそ笑んでいるに違いない。

週刊新潮 2017年10月12日神無月増大号掲載

ワイド特集「秋霜烈日」より

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