二階幹事長が「今から解散をやめられないか」と漏らした事情

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子分の獲得に奔走

 9月28日、自民党の1次公認が発表された。政治部デスクが言う。

「これまで無所属議員を二階派に入会させては、派閥拡大を図ってきた二階幹事長ですが、今回の選挙で山梨2区の長崎幸太郎さんや埼玉11区の小泉龍司さんなど、二階派に属する無所属議員の公認がどうなるかが話題でした。多くが2次公認以降への先送りだったのですが……」

 1次公認の中で関係者に驚きを与えたのが、神奈川4区だった。

「菅官房長官が後見人を務める山本朋広防衛副大臣と、二階幹事長に近く先ごろ自民党に入党した浅尾慶一郎代議士のどちらが公認されるか、と持ちきりだったんです。結果、山本さんが公認されることに」(同)

 公認されたのは、

「やはり菅官房長官の力ですよ。もともと、山本さんは菅さんの側近に誘われて神奈川4区にきたんです。菅さんは今回の公認も“俺が守ってやるから、安心しろ”と声をかけ、最終的にねじ込みました」(同)

 さすがの二階幹事長も肩を落としているという。先の党関係者が言う。

「二階さんは本来、解散になる前に公認問題の根回しをしたかったのです。実際、長崎幸太郎代議士に関しては、会派入りをさせるべく動いていましたから。それなのに解散が早すぎた」

 結果、長崎氏は復党の上、無所属で出馬する形に。ただ、強引な手法は相変わらずで、
「すでに入党済みの浅尾さんを山本さんの対抗馬として無所属で出馬させ、勝ったら公認させようというプランも出ています。もちろん、地元は猛反発です」(先のデスク)

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。

「二階さんは政権のキャスティングボートを握っているわけでもなく、相変わらず子分の獲得に奔走しているだけ。安倍さんも構っていられないでしょう」

 そんな“内ゲバ”を繰り返しているから、希望の党の足音に気付かなかったのでは──。

週刊新潮 2017年10月12日神無月増大号掲載

特集「自民党大量絶滅期」より

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