日本人を狙う「北朝鮮プロパガンダ誌」核・ミサイル開発“大讃美”特集の唖然

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追い詰められた北朝鮮

「政治を全く知らぬ金正恩の戦略が硬直化し、行き詰っているという状況が、そのまま反映された誌面だと思います」

 そう分析するのは、朝鮮総連事情に詳しい、コリア国際研究所所長の朴斗鎮氏だ。

「北朝鮮のプロパガンダ誌だからこそ、日本人にも読んでもらい、好意を持つ人を増やさなければなりません。特に『月刊セセデ』は若い人がターゲットですから、ストレートな宣伝記事は避けるのが編集の基本でしょう。実際、90年代までは、北朝鮮にも政治を熟知する幹部がいました。『総連は右翼と批判されても構わない。赤い心は胸に秘めろ。スイカのように中は赤く、外は緑色でいろ』という指示を出していたほどです。ですが金正恩は政治を全く知りません。父親である金正日の戦略は『瀬戸際外交』と、まだ『外交』の要素がありましたが、金正恩は単に自国を『瀬戸際』に追い詰めているだけです。そうした北朝鮮の硬直を、『月刊セセデ』の特集記事から読み解くことが可能だと思います」

 追い詰められているから余裕がない。余裕がないから、「月刊セセデ」にも、日本人だけでなく、在日朝鮮人ですら唖然としかねない記事を掲載してしまう。朴氏は逆に「北朝鮮敗北」が国際社会の現実だと指摘する。

 返す刀で、朴氏は日本のメディア、特にテレビの情報番組にも警鐘を鳴らす。

「北朝鮮の脅威を、あまりにも強調しすぎです。国際社会に対する脅迫に対峙しなければならないのに、あのような番組内容だと、北朝鮮の片棒を担いでいると批判されても当然です」

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