今、選挙をやれば勝てる…! 安倍首相に解散を決断させた「自民党“極秘”情勢調査」の罠

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小池百合子の「希望の党」登場でガラリと変わる情勢

 となるはずだったのだが、ここで思わぬ「不確定要素」が飛び出した。安倍首相が会見を行ったのと同じ25日、小池百合子都知事が国政新党「希望の党」立ち上げを発表し、自らが代表に就任すると明言。おまけに民進党との実質的な合流を行うという。これで「安倍信任選挙」から「小池新党」が台風の目となる可能性が出てきた。

「あの情勢調査は、民進党が山尾スキャンダルで揺れている頃のもので、若狭勝衆院議員が新党を作るの、作らないの、という時期でした。小池さんも若狭さんを側面支援するものの、新党の代表にはならないと見られていました。そのため、自民党の極秘情勢調査では『小池新党は10議席程度』と予測していたということです。ところが、小池さんが希望の党の代表に就任することが発表され、一気に世間の注目を集めることになった。彼女の登場で、特に自民党の東京の小選挙区は、確実に議席を減らすことになる。東京の小選挙区は25で、自民党は22の選挙区に現職がいる。これが全滅するかもしれない、小池新党に、かなりの議席を持っていかれる……という声が出ています。自民党内部からも『世論調査を信頼しすぎ、先を見誤ったのではないか』と批判する見方も出始めています」(同・政治部記者)

 現代経営学の祖と呼ばれるピーター・ドラッカーは「未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。未来を予測しようとすると罠にはまる」との言葉を残している。名言・格言として評価されているが、安倍首相にとっては耳の痛い文言に違いない。

週刊新潮WEB取材班

2017年9月28日掲載

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