今、選挙をやれば勝てる…! 安倍首相に解散を決断させた「自民党“極秘”情勢調査」の罠

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絶対に自民党が負けない選挙

 今回の衆院選は、小選挙区が289議席、比例代表176議席の合計465議席。勝敗ラインは過半数が233議席、安定多数が244議席、絶対安定多数が261議席、憲法改正の発議に必要な「3分の2」は310議席という具合だ。

 党別の議席数は、衆議院の公式サイトによると、自民党が287議席、公明党が35議席。民進党が87議席、共産党が21議席、日本維新の会が15議席、自由党が2議席、社会民主党が2議席となる(9月26日現在)。

 ではいよいよ「自民党“極秘”情勢調査・選挙予測」に移ろう。前出の政治部記者が明かす。

「実施したのは、『週刊文春』が山尾志桜里・衆議院議員の不倫問題が報じられ、少し安倍内閣の支持率が回復してきた時期にあたるようです。肝心の内容は、自民党は約20議席減の270議席前後。公明党は現有の35議席を維持。民進党は10議席から20議席を上積みする、という予測が出たそうです。自民党は議席数が減るとはいえ、40議席減らすことはまずない。絶対安定多数とされる261議席は確保。憲法改正の発議に必要な『3分の2』も、たとえ自民党が議席を落としたとしても、公明党に加え、維新や民進党の中にもいる改憲派の補完勢力が議席を維持してくれれば、憲法改正のスケジュールに悪影響は及ぼしません。こうした予測から安倍首相は解散を決断したと見られます」

 安倍総理が森友学園や加計学園のいわゆる「モリ・カケ」問題で追及されていた7月に行われた情勢調査では、自民党は議席を大きく減らし、場合によっては230台の議席しか取れないとの結果が出ていたという。その頃に比べれば、劇的に数字は回復した。この先、アメリカと北朝鮮の緊張状態は当分続く。とすれば、来年12月末の任期満了まで総選挙のタイミングを逸してしまう。ならば、負ける可能性が極めて低い、今選挙をやるしかない、との結論に至ったというのである。

「絶対に自民党が負けない選挙」、「実質的には安倍首相の信任投票」という指摘は、今でも根強い。世論調査の予測を安倍首相と菅官房長官が極めて的確に活用し、官邸の力で「安倍叩き」を脱出。政局の流れを変えることに成功したのだ――。

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