「菅vs.麻生vs.二階」 因縁の地・神奈川で代理戦争

国内 政治 2017年9月28日号掲載

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 源頼朝が義経を討伐するに至ったように、兄弟の確執はともすると、周囲を巻き込んだ戦争に発展する。今、頼朝のお膝元だった鎌倉で睨み合っているのは、別の「兄弟」。「安倍家」で、総理との近さから順に長男・菅義偉官房長官、次男・麻生太郎財務大臣、三男・二階俊博自民党幹事長の因縁の歴史があるという。

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 鎌倉市の属する神奈川4区が、なぜ「戦場」と化したのかと言うと、

「過去2回、自民の山本朋広・防衛副大臣と無所属の浅尾慶一郎・旧みんなの党代表が戦ってきたのに、昨年10月に浅尾さんが自民会派に入り、事がややこしくなりました」

 とは、自民党神奈川県連関係者。

「その後ろ盾は、無所属議員を会派に入れては派閥の一員に加えてきた二階さんで、彼を入党させようとしている。それで浅尾さんは、“自分を公認して欲しい”と必死に頼んでいます。過去2回とも山本さんが敗れて比例復活しているので、勝てる自分に自民候補を差し替えろというわけ」

 これに反対しているのが、県連の特別顧問も務める菅官房長官で、

「もともと二階さんの派閥拡大路線を警戒していたこともあって、2人の身勝手な行動に怒りを通り越して呆れ返っている。菅さんをはじめとする県連は、あくまでも“山本公認、浅尾無所属”との方針ですが、たとえ浅尾さんが無所属で出たとしても、二階さんが水面下で支援しないとも限りません」(同)

 既に「長男」と「三男」の代理戦争が始まっている模様なのだ。 

 振り返れば、昨年7月の参院選では「長男」と「次男」が争っていて、 

「神奈川選挙区で、菅さんが公認候補の三原じゅん子さんを、麻生さんが推薦候補だった無所属の中西健治さんを推すという代理戦争になったんです」

 と、政治部記者が言う。

「中西さんは8年前の横浜市長選に自公の支援で出て落選した翌年、みんなの党から参院選に出馬して初当選したので、菅さんと県連には遺恨があった。一方、二階さんと同様、勢力拡大を狙う麻生さんは県内の派閥メンバーと一緒に中西さんにつき、当選後に自民党に入った彼を派閥に迎えた」

 ちなみに、中西陣営の選対本部長を務めていたのが浅尾代議士というから、菅官房長官にとっては、今度が二度目の戦い。

 いざ、鎌倉――。

特集「核ミサイル連射を勝利の女神にした『安倍総理』 『10月総選挙』選良たちの喜劇」より