ご存じ? アメリカ発祥「スラックライン」 W杯が長野で開催

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 ボルダリングだって10年前に知る人はほんのわずか、それが東京五輪の1種目に入ったのだから、こちら「スラックライン」も前途有望かも知れない。

 早い話が“綱渡り”である。このアジア初のワールド杯が、長野県北部の小布施町で、この17、18日の両日開催される。参加国はアメリカ、ドイツ、日本など9カ国というから、W杯としてはちと寂しい。

 仕掛け人は、小布施で600年続く古刹、浄光寺副住職の林映寿さん(41)だ。

「スラックラインとの出会いは5年前。夏のスキー場でした。ライン(幅5センチのナイロン製ロープ)を2本の柱に張って、その上で飛び跳ねて技を競う、いわば“綱渡りしながら行うトランポリン”です。最初は乗っているだけでも難しい。歩行など全くできません」

 このときの悔しさが、スラックラインの深みに嵌るきっかけだった。

「すぐ寺に器具を設置して、自ら楽しみつつ町民に開放しました。老若男女、誰もが楽しめると直感したのです。今では保育園・幼稚園・小中学校にスラックラインが設置され、町全体の取り組みになりました。その成果として木下晴稀君は昨年、米、仏、独の大会で優勝を果たしています」(同)

 アメリカ発祥だが、競技として認められたのはドイツ、2009年のこと。現在世界の競技人口は200万人、国内にも4万2000人いるという。

「スラックラインは、ラインを樹木や柱に固定して、3メートル以上の間隔があれば可能な安価で手軽なスポーツ。遊び感覚で体幹・バランス・集中力を同時に鍛えられます」(同)

 ワールド杯出場者は、9カ国25人。日本人12人のうち小布施町民が3人を占める。ここに林さんの御子息・映心君(10)もいる。

週刊新潮 2017年9月21日菊咲月増大号掲載

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