「甲子園」最多本塁打で注目 バックスクリーンの「山九」看板

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「あれ? 『グリコ』じゃない!」。甲子園球場バックスクリーン横の広告主の名が変わったことに気付いた向きも多かろう。なにしろ今夏の甲子園大会では史上最多68本の本塁打が生まれ、バックスクリーンがテレビ画面に映る機会も多かった。

 スポーツ・ライターの玉木正之さんが言う。

「広陵高校の中村奨成君を始め、これほどホームランの話題が衆目を集めた大会も珍しい。自然とバックスクリーン横の『山九』広告にも目が行くことになって、私も『ヤマキュウ』って何と関係者に訊ねてみた。それで『サンキュウ』と読む物流大手の会社であると初めて知りました。『グリコ』さんは工場を閉鎖するというニュースが流れたばかり。図らずも産業界の栄枯盛衰を目の当たりにする感じです」

 当の山九株式会社(本社・東京)の広報担当者が言う。

「バックスクリーンの看板につきましては、今年4月より開始しました。ここはカネボウ、グリコと有名企業が名前を連ねてきた歴史ある広告場所、弊社で良いのか当初は不安でした。たしかに今回の高校野球で反響は大です。問い合わせも多く、ホームページへの8月のアクセス数は、前年同月比で20%以上の増加です」

 その意図や那辺に?

「社員採用のためです。弊社は、来年創業100年を迎える歴史ある物流会社ですが、いかんせん知名度は低い。昨今の物流業界は人材不足に呻吟しています。高校生、大学生に『山九』という会社を知って欲しかった」(同)

 して、そのお値段は?

「申し訳ありません。個別の広告費用については、公開してはならないルールなのです」(同)

 ちなみに、外野上段スコアボード横の広告料は、年間2300万円也。

「ともあれ、山九は花咲徳栄高校と並ぶ夏の甲子園の勝者と言えるでしょうね」(玉木氏)

週刊新潮 2017年9月7日号掲載

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