「グッチ裕三」のステマ商魂 メンチカツの次はカフェ

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「本物を感じる」と

 メンチカツ店が面する「伝法院通り」を西に進んで右に折れると、大衆的な飲食店が通りの両側にひしめく「公園本通り商店街」(通称・ホッピー通り)に至る。その一角で、ウッドデッキのエントランスがひときわ異彩を放つ「グッド フェローズ」。オープンは2014年秋だといい、グッチは過去に女性誌のグルメ特集や月刊誌の企画広告に登場し、以下のように同店を褒めちぎっていた。

〈音楽も料理も飲み物も最高。陽気な雰囲気にホッとするんだよね〉(「女性セブン」15年1月29日号)

〈ここはちょっと凄いよ。一見、ごく普通のカフェ。でも、食べてみるとどの料理もお値段以上、外れがない。本物を感じる〉(「dancyu」17年7月号)

 が、同店は現地では「グッチの店」として知られ、実際に親会社の所在地は彼の自宅。代表には妻が就き、本人も役員に名を連ねている。それらを秘したまま、PRに努めていたのだ。

「こうした手法は、何も今に始まったことではありません」

 とは、先の関係者である。

「例えば03年、彼は自宅近くに持ち帰り専門の焼鳥店を開いています。この時は、自ら近所に出向いて開店の挨拶をしていました」

 現在はオーナーが代わっているものの、経営に携わっていた時期には、こんな“レビュー”を寄せていた。

〈ここの塩焼きはとにかくうまい!(略)何串でも食べられちゃう〉(「女性セブン」05年1月6・13日号)

 自身の立場には、むろん一切言及せず。

 ステマ問題に詳しい武蔵野大学の佐藤佳弘教授(社会情報学)は、

「『美味しい私の店です』と言わなければならないところ、まさしくステマ宣伝です。ファンを裏切る行為に他なりません」

 とはいえ、揺るぎないそのスタンス。“売れれば勝ち”もまた、商いの要諦には違いない。

週刊新潮 2017年9月7日号掲載

ワイド特集「天つたふ日ぞ 楽しからずや」

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