柳沢敦 “QBK”について「この場を借りて謝りたい」 ジーコおじさんの子ども電話相談が「泣ける」

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 Jリーグ(公益社団法人日本プロサッカーリーグ)は8月29日、サッカーの神様ことジーコさんが、電話で子どもたちの相談に応じる、夏休み特別企画「ジーコおじさんの子ども電話相談室」をHPで公開し、元サッカー日本代表・柳沢敦さんとの変わらぬ師弟愛が話題を呼んでいる。

 ジーコさんは、ブラジル代表として、3度のW杯に出場し、93年Jリーグ開幕節から鹿島アントラーズの一員として活躍。現役引退後の2002年から日本代表監督に就任し、アジアカップ優勝、ドイツW杯出場に導いた。

 公開された「子ども電話相談室」冒頭で、ジーコさんは「子どもたちの質問に答えるのは得意中の得意ですので、任せてください。おじさんが、ここで問題を解決いたします。おじさんというよりも、おじいちゃんですけどね(笑)」とコメント。その言葉通り「足が遅いけれど、どうやったらレギュラーになれるか」「ネイマールみたいにドリブルがうまくなりたい」などという子どもたちの質問に的確に答えていく。

 そんな小学生の相談者に混じって、サプライズ登場したのが、J2のロアッソ熊本でプレーをする巻誠一郎と、鹿島アントラーズでコーチをしている柳沢敦だ。2人はいずれも、ジーコさんが監督を務めた2006年ドイツW杯の日本代表選手。この2人とジーコさんのやりとりが「泣ける」のだ。

 37歳で現役としてプレーをしている巻は、ジーコさんに、現役を長く続けられた秘訣と、引退の理由を質問。
 ジーコさんは「本気で嬉しいのは、37歳でも情熱を失わず、現役でやっていられること。それは本当に幸せなことだよ」とコメントし、引退の理由を「怪我の影響が大きかった。特に左ひざがね。3回も大きな手術をしていて、自分の理想とする形を維持するのが難しくなったからなんだ。そうすると精神的にもイライラするし、周りと喧嘩することも増えてきて、そろそろ辞め時だなと思ってね」と明かした。

 そして巻にはこれまでの経験をチームの生かすことが大事だとし、

「これまではピッチの中だけで結果を出せばよかったけど、これからはピッチ外で自分の経験を若手に伝えるとか、自分の家族を大切にするといった人とのつながりがより大切になってくると思うので、そのあたりもわきまえて、いい仕事をしてください」とアドバイスをした。

 また、現在鹿島でコーチをしている柳沢は、指導者として心がけていることは何かという質問をしたあと、

「ドイツのワールドカップのクロアチア戦で、なんであそこで俺はアウトサイドを出してしまったのかと。それが自分の中で一番の後悔です。ジーコさんにドイツのワールドカップが終わってから会えていなかったし、話もできていなかったので、この場を借りて、謝りたい気持ちがあります」と告白した。

 柳沢が言っているのは、 ドイツW杯クロアチア戦の後半6分、決定的なチャンスでのシュートミスのことだ。試合後、柳沢がコメントした「急にボールが来たので」は、「QBK」と揶揄され、批判の対象となった。

 柳沢の11年越しの謝罪に対しジーコさんは、

「いや、謝ることはなにもないよ。ああいうことは、サッカーには付き物だから。それよりも、ヤナギのキャリアを改めて振り返ってみると、本当に素晴らしい選手だったと感じる。そこまで成長してくれて本当にうれしく思っているよ」と温かいコメントを残した。

 この時を超えても変わらぬ師弟愛にファンからは「ジンときた」「泣いちゃった」と感動の声が。

 ジーコさんは最後に子どもたちに向けて「今ちょうどサッカーの中で自分を意識しだす、逆に言えばすごく楽しい年代だと思うので、一生懸命サッカーを好きになってください」と改めてエールを送り、「もう一つ嬉しかったのは、巻とヤナギと話せたこと。彼らとは何年も一緒に仕事をしてきましたし、今でも元気にやっているのを知れたので、本当に良かったです。これからも素晴らしいサッカー人生が彼らに待っていることを心から願っています」と締めくくった。

デイリー新潮編集部

2017年8月29日掲載

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