すい臓がん、乳がん、アルツを早期発見 確率95%超「マイクロRNA」を体験してみた

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 東京・築地の国立がん研究センターを拠点とする「次世代がん診断システム」の開発は、2014年に始まった。多くの企業や大学が参画、およそ80億円もの予算が投入された大型国家プロジェクトである。

 すでに同センターでは、血液一滴で13種類のがんを早期発見する検査法の開発に成功。8月からは臨床試験が始まるというのだが、

「それは『マイクロRNA』を用いた分析です」

 とは、全国紙の科学部デスクである。

「従来RNAは、たんぱく質を合成する際、DNAに含まれる遺伝子配列を転写する“脇役”とされてきました。まして遺伝情報以外を写し取る切片のマイクロRNAなどは、不要物のように扱われてきた。ですが近年、その働きが新たに解明され、特にがん治療の分野では重要な役割を担ってきているのです」

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