「衝撃的なお漏らし」から誕生した、「報道ステーション」で話題の排泄予知デバイス

IT・科学2017年7月19日掲載

 7月13日夜放送のテレビ朝日「報道ステーション」で、東京都内の老人ホームで試験的に運用されている排泄予知デバイス「D Free(ディーフリー)」が特集された。「D Free」は、歩行困難な入居者の下腹部に小型センサーを取り付け、膀胱に溜まる尿の量をモニターし、トイレに誘導すべき時間を予測するもの。この老人ホームでは、介護福祉士がトイレへ誘導するのは1日に12回と決まっていたが、ある入居者の場合、「D Free」の予測によって7回と回数が激減。富川悠太キャスターによると、介護のスケジュールに余裕ができたことで、レクリエーションの時間が充実し、入居者もゆっくり入浴できるようになったという。

 排泄予知デバイス「D Free」を開発したのは、トリプル・ダブリュー・ジャパンのCEO、中西敦士さん。中西さんの著書『10分後にうんこが出ます』(新潮社)では、開発のきっかけになった「自身の衝撃的なお漏らし体験」から、多くの失敗の中で生まれた試作機、実証実験の苦労、介護の現場での運用例などが語られている。この「D Free」という名称は、おむつを意味する英語diaper(ダイパー)の頭文字に、自由や解放を意味するfreeを加えたもの。中西さんは、あらかじめ排泄のタイミングを知ることで、予期せぬお漏らしを回避し、「おむつから自由になる世界」を実現したいと語っている。

「D Free」が文字通りfreeにしてくれるのは、介護で使用する「大量のおむつ」や介護福祉士の「手間」だけではない。番組に登場した入居者の家族によれば、お漏らしでおむつを汚すことから解放され、本人の自尊心が傷つくことも減るという。自尊心のケアが問題となっている認知症患者について は、特にこのデバイスは有用であるといえる。

 排泄予知デバイス「D Free」は、現在排尿にしか対応していないが、来年には排便を予測できる機能も搭載されるようだ。さらに大きな社会問題となりつつある、高齢者の介護。今後、この取り組みに注目したい。

デイリー新潮編集部