うつ、高血圧、脳梗塞の原因…大病が潜む「スマホ猫背」の恐怖

食・暮らし週刊新潮 2017年5月4・11日ゴールデンウイーク特大号掲載

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「よい姿勢」とは

 では、かように恐ろしい数多の病へと繋がる「スマホ猫背」は、どうすれば矯正できるのか。

 その前に、そもそも「よい姿勢」とはいかなるフォームを指すのかを示していくことにする。

「スポーツ・栄養クリニック」理事長で、日本整形外科学会の認定専門医でもある武田淳也医師は、かつて医師の集まる講演会で、

〈正しい姿勢を知っている人は手を挙げてください〉

 そう問うたところ、誰も挙手しなかったという。

 武田医師が、肩凝りや腰痛などで自身のクリニックを訪れた患者を撮影したところ、頸部が前に落ちていたり、背中が丸まっていたりという人が殆どだった。つまりは皆、猫背だったわけである。

「患者さんに写真を見せ、『あなたの姿勢はこうなっています。これが症状の重大な原因の1つです』と言うと、皆さんきまって驚かれていました」(武田医師)

 自ら知るすべもなく、専門家にも指摘されてこなかったのであろう。

 正しい姿勢とは、まず骨盤のポジションを確かめることから始まる。

 左右の腰骨の出っ張った部分と恥骨とを結ぶと三角形ができる(②)。これを「骨盤トライアングル」といい、

「骨盤トライアングルが床に対して垂直になるよう心がけます。立ったままだとわかりにくいですが、床に仰向けになり、骨盤トライアングルが水平に保たれていればいいのです」(同)

 仰向けになると重力が働き、トライアングルが床と水平であるかどうかは簡単に確かめられる(③)。正しいポジションを保つには、

「そのまま、鼻から息を吸い込みます。お腹の上に水の入ったボウルを乗せているようなイメージを作り、次にその水が少しだけ手前にこぼれる感じで骨盤トライアングルを傾けます(④)。口から息を吐きながら、ほんの少し動かせば結構です。今度は息を吸いながら、ボウルの水が足の方へこぼれるイメージでトライアングルを傾けます(⑤)。心地よく動かせる範囲で5回繰り返します。骨盤の歪みを気にするより、自分で骨盤をよい角度に調整できることが大切なのです」(同)

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