安倍総理の10月危機 悲願の「憲法改正」断念で解散?

政治週刊新潮 2017年8月10日号掲載

  • 共有
  • ブックマーク

 伝家の宝刀を抜くのは、相手がぬかるみにはまったときと寸法が決まっている。ならば「蓮舫後」を巡る“民進ゴタゴタ”に乗じて解散かというとさにあらず。「一強」からのズリ落ち具合に身を竦(すく)めるのが他ならぬ官邸の面々で、悲願の憲法改正を一旦脇に置かざるを得ないのだ。10月、衆院ダブル補選の結果如何によっては政権が危機を迎える。

 ***

「安倍一強時代には、“色んなものに足を引っ張られることもあるから、やりたいことからやり遂げる”というのが安倍さんの持論。けれど内閣支持率の落ち込み方が急で、憲法改正を争点に年内の選挙へ突っ込んでも、改正の発議に必要な3分の2を失う可能性が高い。従って、憲法については控えめな主張に留め、機を窺うべきだという声が大勢を占めています」

 と、官邸内の声を伝える関係者。だからといって、

「支持率急落の元凶扱いされている菅官房長官、二階幹事長が居座り続ける中で、浮上のチャンスがあるかどうか」(同)

 いささか旧聞に属するが、2月下旬、各社の官邸キャップに囲まれたオフレコ懇談の席上、安倍首相はこんな口ぶりだった。

「民進党はアベノミクスを批判するけれど、民主党時代よりは絶対に良くなっている。彼らもそこを突かれると痛いんだよね。いつまでも同じ攻め方だから支持率があがりっこないよ。共産党との政策の差を詰めるというような方針だけど、政策よりも支持率の差の方が縮まったんじゃないの」

 当時のご機嫌に比べ、目下の状況はあまりに隔りがあると言わざるを得まい。

 代わって民進党代議士に聞くと、

「蓮舫が万事休すとなって混乱していますから。相手も深手を負って解散を打ってくる可能性は低いかもしれないけど、ないわけじゃないよね……そんな話をしているところです」

 なるほど解散風を吹かせているのは民進陣営のようで、切れ味のすっきりしない偽の宝刀が出回る永田町。内閣改造と自民党役員人事に民進党代表選。その後に控えるのが、衆院青森4区、愛媛3区で、現職の死去に伴って行なわれるダブル補選だ。

次ページ:「ザワつき出すだろうね」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]