安倍総理の10月危機 悲願の「憲法改正」断念で解散?

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「ザワつき出すだろうね」

 まず、青森の情勢について、自民党の地元県議は、

「あそこはいわゆる『王国』。自民が下野した09年の総選挙でも全国最速で当確が出たし、前回総選挙ではライバル候補をダブルスコアで圧倒しています」

 と語りつつも、

「強いときは10万を超えていた得票がここ最近は8万に届かない。野党が候補を一本化してくる可能性もありますし。都議選の惨敗、仙台市長選での敗北……という流れを考えると油断はできないですがね」

 他方、愛媛に関しては、地元政界関係者によると、

「麻生さん(太郎・財務相)の肝煎りで、亡くなった代議士の次男が出馬しそうですが、このままだと当選は覚束ないでしょう」

 下馬評通りなら1勝1敗。それが仮に2敗ともなると、

「1回生と魔の2回生がザワつき出すだろうね」

 と、自民党の閣僚経験者。

「彼らは順風の選挙しかやっていないから喧嘩の仕方がわからない。それと相前後して、もともと安倍政権に難癖ばかりつけていた古賀(誠・元幹事長)とか山拓(山崎拓・元幹事長)あたりがうるさいことを言い始める。会長をやっていた宏池会とか石原派にはまだ影響力が残っています」

 しかし、首相の出身派閥の細田派は96人、首相の盟友・麻生財務相率いる志公会が59人であるのに対し、古賀氏がかつて領袖を務めた岸田派は46人、石原派に至っては14人。数では打ち崩せぬ高い壁が立ちはだかる。

「でもね、55人の額賀派をまとめている青木さん(幹雄・元官房長官)が反安倍陣営に加わったらわからない。現役時代に『青木の方程式』、つまり、内閣支持率と政党支持率の合計が50%(直近は65・7%)を割り込めば政権運営が危険水域に入るという極意を唱えた張本人ですから」(同)

 倒閣の囁きは官邸に憂色が濃いことの証明である。

週刊新潮 2017年8月10日号掲載

特集「咆哮と遠吠えが交錯する『永田町』人間動物園」より

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