「東芝」vs.「監査法人」泥沼闘争を実況中継 調査費用20億円が水の泡…

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調査対象を拡大

 が、結果はシロ。幹部が巨額損失を知っていた事実も、それを隠すように圧力をかけた明確な証拠も出てこなかった。

 監査委員会は、2月10日に報告を上げる。だが、PwCあらたは納得しなかった。

「突然、電話会議で、アメリカのPwC本社の担当者が調査の範囲を広げろと要求してきたのです」(同)

 すでに第3四半期決算発表の期日は迫っていたが、拒めば決算を承認してもらえない。

「今度は調査対象を前回の16名から67名にまで広げ、研究所や現場のスタッフなど、経営にタッチしない人まで100時間以上の聞き取り調査が行われました。追加調査も入れるとトータルで107名に達しています。WHのインド法人の幹部がナイジェリアに出張しているところまで追いかけ、急きょ面談をセットするという荒業もやった。調べたメールはトータルで240万件。読み込み作業が行われた文面も24万件に及んでいます」(同)

 不眠不休の作業となっても、決算発表の再延期は何としても避けたい。調査費用は20億円を超えていた。

 ***

(下)に続く

週刊新潮 2017年8月3日号掲載

特集「調査費用20億円が水の泡! 8月上旬には上場廃止!? 『東芝』vs.『監査法人』泥沼闘争を実況中継」より

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