満島ひかり、16年ぶり歌番組で見せた変幻自在

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満島ひかり

 ある時は「ど根性ガエル」の“ピョン吉”の声を喉が嗄(か)れるほど熱演し、またある時は名探偵・明智小五郎という男役をこなし、そのまたある時は実在する妖怪・黒柳徹子を演じきる――。

 しかしてその実体は、女優の満島ひかり(31)というわけで、6月に入ってギャラクシー賞(個人賞)、放送文化基金賞の演技賞を受賞し、女優としてノリにのっているのだが、さらにまた新たな一面が加わった。

 6月16日の「ミュージックステーション」に16年ぶりに出演。今回は大沢伸一のソロプロジェクト“MONDO GROSSO”のボーカリストとして、「ラビリンス」をテレビで初披露したのだ。これが“あまりにもダンスがしなやか”、“幻想的な大人の色気”などと評価を高め、YouTubeでのミュージックビデオ再生は一気に240万回を突破したほどである。

 音楽評論家の反畑誠一氏は言う。

「元々、満島さんは沖縄アクターズスクール出身で、男女7人の子供たちのグループ“Folder”のバックコーラスとダンサーの1人でしたからね。メインボーカルは、いまはアーティストに成長した三浦大知君。後に彼が変声期を迎えたために、5人編成の“Folder5”として満島さんもボーカルをとるようになるのですが、彼女たちはダンスは徹底的に鍛えられているので、それが美しいのは当然です。しかし、ボーカリストとしての印象は薄い……」

 だからなのか、番組ではガチガチに緊張してタモリと話すシーンが映し出された。ライブに入ると、その声が、か細いのだ。

 かつてCMの中で、中島みゆきの「ファイト!」を腹から声を出して唄っていたものとは明らかに違う。

「いやいや緊張とは違うかもしれませんよ。なにしろいまや演じることを知った女優ですから。ドラマチックにみせるのはお手のものでしょう」(同)

 確かに幻想的な詞と曲には、繊細な声の方が合う。

 ひょっとして、緊張してみせたのも……満島ひかり、恐るべき演技力。

週刊新潮 2017年6月29日号掲載

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