人は喉から老いる…専門医が勧めるカラオケは「津軽海峡冬景色」

ドクター新潮 医療 肺炎

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 人は歌を唄うことで癒され元気になるものだ。そこで専門医も勧めるのがカラオケである。もちろん、上手い下手は二の次で、大切なのは曲選びである。

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 喉を触りながら唾を飲み込むと喉仏が上下するのがよく分かる。これを動かしているのが「喉頭挙上筋群」と呼ばれる筋肉だ。喉頭挙上筋群が衰えてくると喉仏は下がり、誤嚥が起きやすくなってしまう。

 それを防ぐには、筋肉を鍛えることが大事だが、楽しんで続けられるのがカラオケだ。

「ストレス発散にもなるし、効果も大きい」

 と勧めるのが『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』(飛鳥新社)の著書がある西山耕一郎医師だ。

「高い声を出すときは喉仏が上がるでしょう。筋肉を上下させるには、ハイトーンで歌うことが大事です」

 同氏の著書にも紹介されているが、初心者に向いているのが、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」だ。高音部分も低音部分もあって、喉の筋肉を上下させるにはピッタリである。テレビで歌う彼女を見れば、喉仏が激しく上下しているのが分かる。

「若い人には松任谷由実さんの『春よ、来い』も喉を鍛えるのにいい曲だと思います」(同)

 さらにレベルが上がると「愛のメモリー」(松崎しげる)にチャレンジしてみてはどうだろう。米良美一の「もののけ姫」やクリスタルキングの「大都会」などなどが歌えれば、トレーニングも上級者レベルだ。

 だが西山医師は言う。

「お年寄りで流行りの曲を知らないのなら『リンゴの唄』でも良いです。童謡でも、いっそ軍歌でも構わないでしょう」

 大事なことは歌える曲から始めること。もちろん、1人カラオケでも構わない。

特集「がんより怖い『誤嚥性肺炎』を防ぐ完全ガイド」より

週刊新潮 2017年6月8日号掲載

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