風邪かと思ったら…猛威を振るう「誤嚥性肺炎」早期発見法

ドクター新潮 医療 肺炎

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■言語聴覚士が重要

 病院では、スクリーニングテスト(特定の疾病のふるい分け)が待ち受けているのだが、

「30または3㏄の水を口に含ませて一気に飲んでもらう『水飲み試験』や、30秒間で何回唾液を飲み込めるか調べる『反復唾液嚥下試験』を行います。3回未満であれば、嚥下障害の疑いがあります」

 とは、仙台赤十字病院呼吸器内科部長の三木誠医師。

「初期段階では、誤嚥性肺炎とその他の肺炎の治療法は変わりませんが、前者は再発しやすいので『嚥下リハビリテーション』を行うかどうかを見極めます。首やあご、舌の運動をしてうまく使えるよう筋力トレーニングをしたり、より機能が落ちている人には水や氷で刺激を与え、咳をさせたり飲み込ませる『アイスマッサージ』を施すこともあります」

 こうした訓練を行う病院は限られており、かつスタッフの技量によるところが大きいという。

「誤嚥性肺炎に強い病院とは、まず良い呼吸器科医がいること。加えて、言語摂食機能障害のリハビリを担う言語聴覚士がおり、看護師や栄養士とリハビリチームを作ってアプローチしている病院が望ましい。ただ、現状ではそうした病院に対して『認定施設』のような基準はなく、きちんとしたリハビリ環境が整っている病院を探すしかありません」

特集「がんより怖い『誤嚥性肺炎』を防ぐ完全ガイド」より

週刊新潮 2017年6月8日号掲載

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