暴露の前川前次官、「守秘義務違反」で逮捕の可能性は

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■実質秘

 実際、前川前次官は守秘義務違反に問われることはないのか。

 元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏に聞くと、

「前川さんがリークした8枚の文書は、官僚の目からすれば秘密度も高い公文書で、外部に流出することを想定したものではない。ですから、当然、前川さんは守秘義務違反に問われる可能性が出てきます」

 そもそも、記者会見に弁護士を伴っていたのは、前川前次官自身に後ろめたい気持ちがあった証拠ではないかという。

「読売の記者が“在職中の資料を明かすのは、守秘義務違反では?”と前川さんに質問すると、代わりに弁護士が“ノーコメント”としか応じられなかった。結局、潔白であると胸を張れる話ではないからです」(同)

 守秘義務によって保護されるべき秘密には、形式秘と実質秘の2つがある。

「形式秘はマル秘の判が押してあるもの。実質秘は、マル秘の判がなくとも、内容的に秘密にしなければならないものです。前川さんのリークした文書やメディアの取材に話している内容は実質秘に当たるのではないでしょうか。しかし、返り血を浴びる覚悟で文科省が前川さんを告発するとは思えない。ただ、熱烈な安倍応援団のような市民団体が東京地検などの捜査機関に告発すれば、前川さんは立件されることになるかもしれません」(同)

 忖度政治の中枢にいる権力者を相手にケンカをすれば、タダでは済まないというわけなのだ。

特集「『安倍総理』を辞任させたい『麻生太郎』!」より

週刊新潮 2017年6月15日号掲載

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