バスケBリーグ 大人気でも「東京五輪」が厳しい事情

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 もし兜町に“バスケットボール関連銘柄”というのがあるとしたら、今こそ“買い”ではないか。

 NBLとbjリーグを統一し、昨年9月に始動したBリーグ。その初代王者を決める一戦が5月27日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催されたのだが、

「チケットの一般販売は30秒で完売したそうです」

 とスポーツ紙バスケ担当記者が明かす。

「当日は1万人を超える観客が押し寄せて満員御礼。サッカーやバレーボールなど普段は特等席で観戦できる我々も、今回ばかりは会場隅の見切り席に追いやられてしまいました」

 栃木ブレックス対川崎ブレイブサンダースの一戦。

「客席の4分の3は、栃木のチームカラーである黄色のTシャツで占められ、優勝の瞬間は地鳴りのような歓声が場内にこだましました。試合後、優勝記念グッズの売り場には長蛇の列ができていましたね」

 そうときたら、“栃木銘柄”もチェックせねば!

「いや。この熱気、いつまで続くかわかりませんよ」

 どういうこと? 2020年には東京五輪もあるし、大フィーバー必至では?

「実はそれこそが“悪材料”なんです。業界では、東京五輪に日本が出場できる可能性は果てしなくゼロに近い、と言われてるんです」

 まさか! 強くないのは知ってるけど、“開催国枠”ってのがあるでしょ?

「開催国枠は各競技の国際団体が決めるもので、バレーボールなど多くの競技では認められているものの、国際バスケ連盟は“要検討”との塩対応。過去には、2012年ロンドン五輪でイギリスに“世界ランキング向上”という条件が付いたこともありましたが……」

 ならば、日本もランキングを上げればいい。

「今のランクをご存知ですか? 48位ですよ。五輪出場国はわずか12カ国。アジア枠は1ですが、日本はアジアの中でも中韓よりはるか下の8番手です。そもそも日本は、最近まで国内リーグが統一できないことを理由に国際試合出場停止処分を受けていて、連盟の心証は最悪。近々この問題が露見し、皆さんも夢から醒めることになります」

 ……買うの止めとこ。

週刊新潮 2017年6月8日号掲載

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