大砂嵐、ラマダン前でも13敗の不調

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大砂嵐(Phlyz/Wikimedia Commons)

 かつてはエジプト人初の力士として前頭筆頭まで上り、マスコミにもてはやされていた大砂嵐も、最近は十両の常連組。

 そしてこの5月場所は、西十両筆頭で2勝13敗という過去最悪の成績。敬虔なムスリムとしても有名な彼だが、5月27日からのラマダン(断食月)とは2日しか重なっておらず、栄養は十分に摂れていたはずだが――。

 大相撲担当記者が言う。

「彼の相撲は、両まわしを取って腕力だけで振り回すタイプ。しかし今場所は、それがほとんどできませんでしたね」

 その理由として、

「昨年故障した膝がまだ芳しくないようです。動きを支える膝がダメだと、得意の力相撲は一切取れません。が、あまりにもひどい結果。とにかく、来場所に向けて怪我の回復を待つしかない」(同)

 それにしても今場所、ひどかったのは大砂嵐だけではない。幕内は白鵬の全勝優勝、高安の大関昇進で沸きに沸いたが、こちら十両を眺めれば、優勝は錦木で10勝5敗という、優勝賞金200万円に笑われるような成績だったのである。

 だから9勝6敗、8勝7敗、7勝8敗の力士がズラリと並び、13敗の大砂嵐がいっそ輝く……。

 相撲評論家の中澤潔氏がいう。

「彼は力が強いというだけで、きちんと相撲を学んできたタイプではないですから、怪我が順調に回復したとしても、この先の相撲人生は厳しいと思いますよ」

 めげるな大砂嵐。老け顔なれど、遠藤より若い25歳。まだ大化けできる。

週刊新潮 2017年6月8日号掲載

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