加計学園“安倍総理のご意向”文書を告発、前川前次官が抱く安倍官邸への恨み

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安倍総理

 読売新聞が5月22日付朝刊で報じたのは、前川喜平・前文科事務次官(62)が在職中に出会い系バーに通っていたという、新聞メディアとしては異例の内容だった。

 この読売報道に先立ち、NHKと朝日新聞は、加計学園の獣医学部新設に際し、安倍総理が便宜を図ったとされる文書の存在を報道。この文書のリーク元こそ前川前次官であり、読売報道は前川前次官を貶めようとする官邸の狙いに基づくものだった。

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 それにしても、前川前次官は、“総理のご意向”文書を、なぜ、NHKや朝日新聞に提供したのか。

 政治部記者が解説する。

「安倍総理側近の萩生田光一官房副長官が“あいつは恨みを持っているからな”と口にしたことがありました。恨みとは、天下り問題の責任を取り、今年1月、任期をわずか半年務めただけで、事務次官を依願退職に追い込まれたことです」

 そもそも、文科省の天下り問題が発覚したのは、2015年8月に退職した高等教育局長がわずか2カ月後、早稲田大学教授に転職していたことがきっかけ。内閣府の再就職等監視委員会による調査が開始され、文科省が組織的に再就職の斡旋をしている疑いが持ち上がったのである。

「高等教育局が大学などを所管するわけですが、早稲田大学の教授になった局長は、加計学園の獣医学部新設には強硬に異を唱えていました。そのため、安倍官邸が、その首を挿げ替えたとも言われているのです。前川さんからすれば、安倍官邸の尻拭いをしたうえに、そのせいで辞めるハメにもなったと思い込んでいても不思議ではありません」(同)

 また、文科省担当記者によれば、

「前川さんは東大法学部卒で、エリート街道を歩み、早くから将来の次官候補と言われていました。妹は、中曽根弘文元外相に嫁いでいる。ただ、民主党政権で朝鮮学校の無償化問題が持ち上がったとき、その旗振り役を務めたりしていましたから、元来、安倍総理とは思想的にもソリが合わなかったのです」

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