ベトナム少女殺害犯、卑劣漢の素顔 露わにしていた女児への“感情”

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■春から1人で登校していた

 渋谷は昨年4月から保護者会「二小会」の会長を買って出た。近年は不動産管理業に専念しており、時間に融通が利くことも幸いした。見守り活動を始め、学校にも頻繁に姿を見せている。会のさる役員が明かす。

「昨年春、新体制が始まった途端、渋谷さんは『これまで役員任期は1年でしたが、いっそ2年にしましょう』と言い出した。みんな家庭などの負担が大きいので反対したのですが、事件がなければ渋谷さんは今年度も会長に立候補し、2期目を務める予定でした」

 あるいは、ターゲットを定める時間が必要だったのか。リンさん一家は15年12月、川崎市から転居。2年生の途中から転入してきた彼女と同級の子を持つ、30代の母親が言う。

「渋谷さんは事件後も緑のビブスをつけて活動していました。逮捕の前の日も、子どもたちに付き添って手を繋ぎ、『車に気をつけるんだよ』と言い聞かせていましたが、毎日同じ地点で旗を振っていたのですから、リンちゃんの登校時刻もよく分かっていたはずです」

 従来、松戸市では集団登校を実施しておらず、加えてリンさんは他の児童より10分ほど遅めの登校が目立っていた。その自宅近所の60代主婦によれば、

「これまでは近所に住む年長の男の子と一緒に通学していたのですが、その子がこの春から中学生になったこともあって、ここ最近、リンちゃんはずっと1人で通っていました」

 そんな事情も調べ済みだったに違いない。さきの役員は、

「事件を受け、4月に入って見守り活動についての会議が行われました。ある役員が『早く犯人が捕まってくれないと安心できない』と強い調子で言うと、渋谷さんはうつむいて『そうですね』と呟くだけでした」

 が、別の日にはこんな台詞を口にしていた。

「『事件のせいで見守り活動のメンバーが精神的に参っています。“毎日子どもを見て来たのに、どうしてリンちゃんを守れなかったのか”と。僕もそれが心配で……』なんて、まるで他人事のような口ぶりでした」

 善人面して通学路に立ち続けていたとは、まさしく鬼畜の所業と言うほかない。

特集「善意の『PTA会長』『見守りボランティア』を不審者に変えた!『ベトナム小3少女』殺害犯は地域社会も殺した」より

週刊新潮 2017年4月27日号掲載

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