竹下元首相が慄いた「皇民党」からの攻撃 現党主が語る裏側

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■重なる2つの「構図」

 街宣は大規模かつ長期にわたったため、当初から「黒幕」や「資金提供者」といった存在が取り沙汰されてきた。前者は、おもに元首相と袂を分かった旧田中派の議員らと目され、後者は、同郷の闇将軍に多大な恩義を感じつつ、渡辺元社長との確執を抱えていた佐川急便の佐川清元会長だと見る向きがあった。大島党主は、

「我々は東京に入ったのち、田中派に留まった二階堂さん(進・元副総裁)や山下さん(元利・元防衛庁長官)とコンタクトをとった。ただ、運動については一切助言や指示はされていない。また佐川会長は先代と親交があり、私も面識があった。会長は世話になった角栄を捨てた竹下に対して思うところはあったろうが、それでも我々は注文や相談、まして金銭的援助などはまったく受けていない」

 とはいえ、竹下vs角栄の対立を、佐川急便における渡辺vs佐川の構図と重ね合わせる見方は強かった。現に、渡辺元社長の初公判では冒頭陳述に、

〈佐川急便グループ内にあっては、佐川清の権力は絶大であり、グループ内各社の幹部は常に佐川清の顔色をうかがって戦々恐々としている有様であった。(中略)渡辺は、暴力団最高幹部である石井を自分や東京佐川急便のトラブルの解決ないし予防に利用したほか、石井本人や、親交を結ぶようになった政治家らを、佐川清に対抗する自分の後ろ盾として活用しうる関係を形成していった〉

 とあったのだ。

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