“永田町の黒幕”殺人で死刑囚逮捕 「週刊新潮」だけが知る事件の全貌

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■“食えない死刑囚

 迫真性を帯びた矢野と結城氏の証言。それらが掲載された本誌(「週刊新潮」)記事について、

「何の文句もない。俺は刑事に対し、やってないものはやってないと言うし、やったことはやったと認めるつもりだ」

 矢野は当初、そう述べていたのだが、

「そのうちこの件について、“何の話だ?”とか“知らねぇ”などと言ってとぼけるようになった。さらに、最近は任意の事情聴取に対して、話すことを億劫がる傾向が出てきて、“手紙の内容は無かったことにしてほしい”とまで言うようになっていたのです」

 と、先の捜査関係者。

「そこで、捜査に強制性を持たせる狙いもあり、逮捕という手段をとったわけです。警視庁としては矢野の身柄を警視庁本庁や目白署に移しての取調べを求めていましたが、法務省は“不測の事態が起こったらまずい”として一貫して拒否。拘置所に身柄を置いたままでの逮捕となりました」(同)

 拘置所の中で行われる“食えない死刑囚”矢野の取調べは一筋縄ではいかないだろう。しかし、これまでの怠慢の責任を取る意味でも、警視庁は今度こそこの男と正面から対峙しなければならないのだ。

特集「永田町の黒幕を埋めた『死刑囚』の告白 事件を闇に葬ろうとした『警視庁』ジレンマ八百余日」より

週刊新潮 2017年4月20日号掲載

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