村田諒太、王座初挑戦 B級マッチのA級ファイトマネー

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■タイトルを乱発

 だが、このタイトルマッチ、本当の「世界一」を決める戦いなのかといえば、どうも事情が違うのだ。

 プロボクシングの世界はWBA、WBC、IBF、WBOと複数の団体があり、それぞれチャンピオンがいる。加えて、ボクシング関係者が言うには、

「最近のWBAは『スーパーチャンピオン』や『暫定チャンピオン』などのタイトルを乱発していて、世界チャンピオンといっても本当のトップではありません。今度の王座決定戦についても、スーパーチャンピオンのゲンナジー・ゴロフキンとチャンピオンのダニエル・ジェイコブスの試合で、ジェイコブスが負けたことで空席が出来た。ゴロフキンにはかなわなくても世界チャンピオンなら狙えるだろうと、帝拳ジムがタイトルマッチを日本に引っ張ってきたわけです」

 というわけで、いよいよ試合のレベルが分かりにくいのだが、ボクシング界で定評のある「BoxRec.com」によると、村田は全ミドル級のランキングが16位、そして相手のエンダムは9位となっているのだ。

 元日本ウエルター級チャンピオンの亀田昭雄氏が言う。

「10年ほど前まで世界チャンピオンといえば、タイトル通りに強かった。それが、16位と9位が王座を争うというのは残念です。だから、村田も世界チャンピオンになったら、次はゴロフキンに挑戦して、最強を目指して欲しいですね」

 練習を終えてジムから出てきた村田に声をかけると、

「いい結果を出せるよう頑張ります!」

 とまれ、ファイトマネーに見合う試合を、是非見せて欲しいものである。

ワイド特集「闇の奥」より

週刊新潮 2017年4月20日号掲載

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