自民「二階」「下村」の“マグマ溜り” 都議選苦戦予測で

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 吹き荒れる小池旋風に抗うはずだったのに――。

 3カ月後の都議選に向け、自民党の挙党態勢に亀裂が生まれている。政治部記者が解説する。

「現有57議席に、古屋圭司選対委員長は“30議席は割らないが”と漏らしており、苦戦するのは必至です」

 その劣勢を跳ね返そうと、3月21日、党本部で都連主催の決起集会が開かれた。

「都議選候補者に加え、下村博文都連会長がお願いし、二階俊博幹事長ら執行部の面々も集まりました。二階さんは“一緒になって勝利しよう”と挨拶をしていました。挙党一致を示すには絶好の機会だったわけです」(同)

 だが、次の発言が場を凍らせた。自民党関係者の話。

「ある都議が “小池都知事の党籍はどうなっているのか、けじめをつけてほしい”と二階さんに抗議した。すると、二階さんは“何?”と凄んだのです」

 なぜなら、

「二階さんは、小池さんの国政進出を警戒。表だって批判せず、“抱きつき”戦術をとっています。対して、都議側は知事との対決姿勢を示さない党に不満を持っている。集会後の党役員連絡会で二階さんは“党本部と都議の間には温度差がある”と怒っていました。周囲には、“本部にばかり甘えるな。候補者が頑張ればいい話だ”とも。都議の不満を抑えようともしない下村さんにも“都連がしっかりしろ”と憤っています」(同)

 都連関係者が見るところ、

「下村さんは党が劣勢を跳ね返してくれると、他人事です。もはや責任のなすりつけ合いですよ」

 さらに、この関係者はこんな不安を吐露する。

「党を挙げての選挙と言っても、内実は各種団体への働き掛けや、国会議員に東京の支援者名簿を出させるというアナログな戦術。小池陣営に流れる浮動票を食い止められるとは思えません。官邸が小池さんへの戦闘モードを鮮明にし始め、安倍総理が応援演説に入る予定ではありますが……」

 二階、下村のご両人、いつ噴火してもおかしくないようなのだ。

週刊新潮 2017年4月6日号掲載

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