安倍昭恵の“私人”パワー 1億円NGO事業に鶴の一声?

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■「応援してください」

 もっとも、松井氏と同行したという小野了代(さとよ)理事長は、そもそも予算の必要性を否定して、こう言う。

「うちはケニアのブシアンガラ村でエコサントイレの活動をしていて、14年11月から17年11月の3カ年計画で、外務省を通じての日本NGO連携無償資金協力金から、“重点課題”に採択されています。これは年間、最大1億円を充てることができますが、うちも必要最低限しか要らない。2割程度は自己資金でやるので、受け取るお金が増えれば自己負担も増すのです」

 逆に言えば、自己負担分を誰かが補填してくれれば助かるということか。とまれ、昭恵夫人に会ったことは認めて、こう語る。

「昭恵さんとは東日本大震災後の東北支援でお話しする機会があって、今回エコサントイレの活動を進めるに際し、昨年秋ごろ“普及活動に苦労しています、応援してください”と手紙を書いたのです。その後、東京出張の用事があったので“会えませんか”と言うと、“どうぞ”と。松井先生も一緒に公邸で20〜30分、お話ししました。ただ、外務省を突(つつ)いてください、などとは言っていません。それにビクトリア湖畔の新プロジェクトは、予算化もこれからという段階です」

 一方、松井氏を京都の自宅に直撃すると、

「取材は受けません。喋りません」

 の一点張りで、氏が語った「8000万円」が何を指すのかはわからない。だが、松井氏の話を否定する小野理事長にして、昭恵夫人の「応援」を期待したことは認めるのだ。底知れぬパワーを秘めた「私人」に群がる人の多くが、「鶴の一声」を期待していることは疑うまでもあるまい。

特集「炸裂!『死なばモリトモ』爆弾」より

週刊新潮 2017年3月30日号掲載

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