安倍昭恵が“圧力”支援のイベント、主催団体代表は「総理親族」「有力支援者子弟」

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■未来会議で塾への勧誘

 未来会議ではビラが配られていた。これはAO義塾なる塾への誘いで、〈未来会議参加者の君へ〉と題して、このように書かれていた。

〈君たちは選抜を勝ち抜き今日ここへやってきた/しかしそんな君たちに問いたい/国会に来ただけでいいのか?/(中略)さぁ、多くの同志たちと志をもって/AO入試という名の旅に出かけてみませんか〉

 続いて〈未来会議参加者3つの特典〉として、〈入塾金3万円が無料に!〉などとある

 AO義塾は、AO(アドミッション・オフィス)入試、すなわち学力以上に目的意識や意欲などを重視した入試対策を専門に行う塾で、社長は斎木氏。なんのことはない、斎木氏は総理夫人の尽力で不自然に大掛かりになったイベントを利用して、参加者を自塾に勧誘していたのである。

 10年にFIT入試、すなわちAO入試で慶應大学法学部に入学すると斎木氏は、その年末にはAO義塾を立ち上げている。だが、ある塾講師はこう語る。

「私が作った教材やノウハウを勝手に使い、苦情を言うと逆切れする。うちの生徒がAO義塾を見学に行けば、私についてのウソの情報を流し、“ウチに来たほうがいい”と勧誘する。また、うちの塾に話をしに来て、うちの塾生に自分の名刺を配ってAO義塾に引き入れた。とにかく倫理的に逸脱しているのです」

 塾業界に詳しいジャーナリストも言う。

「斎木さんは自塾の生徒を未来会議の運営に関わらせ、彼らが自主的に活動をしたかのような志望理由書を書かせてAO入試対策としている。また、イベントに集まった優秀な子に声をかけて誘導するため、東大の推薦入試でそれなりの結果を出すのだと言われています。16年度の東大推薦入試では、27名の受験者中、14名が合格したとのこと。ただ、27名のうち19名は1次試験合格後に入塾したから未来会議とは関わっておらず、そこからは8名しか受かっていない。合格率は42・1%で推薦入試全体の合格率51・7%より低いのです」

 AO義塾が実績を上げるためには、未来会議が不可欠というわけだ。

 ちなみに、未来会議でAO義塾の宣伝活動が行われていたことについては、昭恵夫人からの圧力の存在を、表向きは頑なに否定する文科省も、

「再三、宣伝活動をしないように伝えてきたのに、事後に宣伝をしていたという情報が出てきました。しかし、主催者側に確認すると、“団体としては承知していない”と答えるので、それ以上、確認する術がないのです」(青少年教育課)

 と頭を抱えるのである。

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