“美人女子高生社長”椎木里佳、持て囃したテレビの罪

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 日本で会社を上場させた女性の最年少記録は39歳だという。だが、「女子高生社長」として知られた椎木(しいき)里佳氏(19)は、3年後に上場させると豪語する。最近は若者のオピニオンリーダーとしても注目を集めているが、メディアが持ち上げるあまり、彼女の偶像を肥大化させてはいないか。

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 一見、アイドル風の女の子にも見える里佳さんが会社を興したのは中学3年生、15歳のとき。ネットで中傷されたことにショックを受け、社長になって見返すしかないと「株式会社AMF」の設立を決めたという。

 資本金は貯金と父親から出してもらった金を合わせた45万円。スマホのアプリ制作、マーケティング(市場調査)などに手を広げ、女子中高生50人を使った「JCJK調査隊」というマーケティングが売り物だ。

「15歳で起業した女の子」が話題になると、さっそくメディアが飛びついた。「サンデー・ジャポン」(TBS系)、「人生が変わる1分間の深イイ話」(日テレ系)などがこぞって彼女を登場させ、フォーブスアジア版の「30歳以下の世界が注目すべき30人」でも取り上げられた。昨年は続けて2冊の著作も出している。

 その里佳さんは現在、慶応大学の1年生だが、ツイッターに書くのである。

〈社員も増え、オフィスも構え、事業拡大もし、昨年と比べると間違いなく前進している。2020年株式上場(中略)本気でワクワクしてます!!〉(2月13日)

 この調子なら、いずれは女版「孫正義」となるのだろうか。だが、世の中はそう甘くない。

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