小松菜奈を抜擢、NHK「スリル!」の試み

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 2月に始まったNHKドラマ「スリル!」が画期的な試みに挑んでいる。現在、総合とBSプレミアムで同時進行中(総合は22日から、BSは26日から)なのだが、同じ設定で、登場人物も一緒でありながら、脚本は別物で、主役と脇役が入れ替わる。言うなれば、お互いにスピンオフ、という関係なのだ。

 BS版「黒の章」の主演は山本耕史(40)。金の為ならなんでも引き受ける悪徳弁護士なのに、いつも相手に騙され、窮地に陥るダメ男を好演している。

 そして総合版「赤の章」の主演を務めるのが、小松菜奈(21)。警視庁の会計課に勤める一般職員という役ながら、詐欺師の父親から受け継いだ才能を使い、刑事や、山本扮するダメ弁護士を操り、難事件を次々に解決していく。

 実は彼女、これが地上波ドラマ初主演。

「小松はもともとファッションモデルとしてデビューしたんですが、14年に中島哲也監督の『渇き。』に出演し、初日に監督から『下手くそ』と言われながらも演じきり、報知映画賞の新人賞を受賞しました」(業界紙記者)

 これをきっかけに、映画女優としても目覚め、マーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙―サイレンス―」にも出演。ハリウッドデビューを飾った。

「彼女は決して美形ではないんですが、ミステリアスな魅力があり、今回の役のように、裏表がある人物を演じさせたらピカイチ。将来、朝の連ドラヒロインの可能性もあるのでは」(同)

 先を見越しての抜擢か。

週刊新潮 2017年3月23日号掲載

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