小池都知事に突き刺さる“ブーメラン発言” 豊洲「ベンゼン79倍」結果で

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■ガバナンスの欠如

 だが、それ以上に禍根を残しそうなのは、業者からの報告について、都側が「高濃度の値が検出されたことでの相談はなかった」と真っ向から否定している点だ。

「業者の発言が事実なら、構図としては小池知事が糾弾した“盛り土問題”と変わらない。あの時も担当者が情報を上層部に伝達しなかったことが事態を悪化させました」(先の記者)

 小池知事は盛り土問題が発覚した後の会見で、

〈最も大きな要因というのは、ガバナンス(統治)、責任感の欠如ということになります〉

 と述べ、市場長や新市場整備部長をはじめとする幹部職員を更迭している。

 だが、今回の不手際については、彼女自らが部長の交代を指示した、新市場整備部の関与が濃厚なのだ。

 無論、外部の業者によって、不適切な調査の実態が白日の下に晒されたこと自体、「ガバナンスの欠如」を非難されても仕方あるまい。彼女が好むもうひとつのフレーズ、「透明性」の観点からも疑問符がつく。

 かつて「都庁の女帝」は、

〈一旦発表した数値が違いましたという、そういうことを都庁がしたら致命的な話です〉

 と語り、石原氏にも、

〈細かいことは事務方がやっていた、他の者に任せていたという話でございますが、やはり細部のところも重要であって。いま問われているのは細部と、そして、リーダーの在り方の部分だろうと思います〉

 などと言い放っていた。

 いまやそうしたセリフの全てがブーメランとなり、華麗な放物線を描いてご自身に突き刺さろうとしているのだ。

 ちなみに、モニタリング調査を巡る不祥事について問われた小池知事は、

「今日は中に閉じこもっていたので(特別委での発言は)聞いていない。確認してみます……」

 と、いつになく歯切れの悪い回答。彼女の言葉を借りれば、都民の皆さまはこう感じているのではないか。

 小池さんらしくないなぁ、と――。

特集「インチキ調査!?『ベンゼン79倍』で小躍りの『小池都知事』に突き刺さったブーメラン」より

週刊新潮 2017年3月16日号掲載

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