朝日新聞、軍部の「声」代弁の読者投稿欄 知られたくない不都合な真実

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■戦争を煽って助長

 日本軍がガダルカナル島から撤退し、山本五十六長官が戦死。敗戦の気配が漂う1943年5月18日付夕刊には、「心の防空服装」と題した投稿を掲載している。

〈劇場から出てくる着飾つた婦人達、銀座通りの華美な服装、警戒警報発令中であることを知つてか知らずか、この人々は何故に防空服装をしないのであらうか〉

 投稿者は、オシャレを楽しむ女性たちに対して、モンペや頭巾の防空服を着ないことへの苛立ちを訴えて、〈これは単なる服装の問題ではない。戦争の現状に対する理解の深浅と心構への問題である〉と説く。

 翻って、先の特集記事をみれば、戦前の投稿は“女性の権利”が主要テーマだと誇っていたのだが……。

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