安倍総理夫妻と親密…「日本会議」幹部の幼稚園に国有地格安払い下げ

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■家庭でも厳しい父親

 むろん、疑惑解明に直接繋がるわけではないが、実は、森友学園の籠池泰典理事長(64)と安倍総理夫妻とは親密な間柄だった。

 社会部記者が解説する。

「籠池さんは、日本会議の大阪支部で代表・運営委員を務めている。日本会議といえば、憲法改正や総理の靖国参拝、男系皇統の安定的継続などを求める保守系団体です。国会では、その活動に賛同する超党派の議員連盟も立ち上がり、安倍総理は特別顧問の立場にあります」

 事実、籠池理事長は、安倍総理が来阪すると、定宿の「リーガロイヤルホテル」に駆け付けることもあったという。

「さらに、昭恵さんとは、PTAの父兄の紹介で知り合ったそうです。それ以降、昭恵さんは頻繁に幼稚園を訪れるようになった。2年前には、籠池さんが、“安倍首相ってどんな人ですか?”と園児に問いかけ、“日本を守ってくれる人”と答えると、昭恵さんが“ありがとう。ちゃんと、(安倍総理に)伝えます”と涙を浮かべて言葉を詰まらせた、という話が産経新聞に載っていました」(同)

 若干芝居じみているエピソードと言えなくもないが、瑞穂の國記念小學院の名誉校長に就いたのは、昭恵夫人その人だった。

 果たして、どんな小学校が開校することになるのか。

 社会部記者が続ける。

「校内に神社を造り、日本で唯一、神道系の小学校であることをウリにしています。教育理念は、日本の文化や伝統、歴史を学ぶことを通じ、愛国心を育もうというもの。籠池さんは、児童が教師にため口を利くような、“なあなあの関係”に疑問を持ち、小学校を設立したので、スパルタ教育を実践するのは間違いありません」

 しかも、籠池理事長が厳格すぎる教育方針を取っていたのは、教育現場ばかりではなかった。

 籠池理事長の次男(29)が明かす。

「父は、自分と異なる意見には耳を傾けず、気に入らない人はすぐに切り捨てようとする。だから、園児の保護者から反発を買うことも少なくないのですが、実の子に対しても同じです。例えば、長男の場合、結婚相手が気に入らず、顔も見ないで玄関先から追い返し、当然、結婚式にも出なかった。挙げ句、長男は最初の妻とは離婚し、現在、再婚相手との間に4歳になる男の子をもうけたのですが、父親は“幼稚園にぎょうさん子どもはおるから孫は要らん”と言い放ちました」

 さらに悲惨だったのは、三男だという。

「厳しく育てられることに抵抗しようとしたのか、三男は高校卒業後、髪の毛を金髪に染めしばらく仕事もしていませんでした。両親からは白い目で見られ、家にも入れてもらえなくなった。不憫に思った祖母が面倒を見ていたのですが、7年前、21歳のときに首吊り自殺をしたのです」(同)

 遺書には、“両親には頭が上がりません。もう居場所が見つからない”などと書かれていたという。

「ところが、両親は神社への研修に園児を連れて行っていて、警察からの連絡に対応せず、弟は遺体安置所に長時間放置されていた。僕は18歳から23歳まで、幼稚園のラグビースクールの講師をしていましたが、父とソリが合わなくなって辞め、以来5年間、口を利いていない。両親のもとには、長女と次女しか寄りついていません」(同)

 さて、籠池理事長はなんと言うか。国有地格安取得の問題については、

「あくまで近畿財務局がごみ処理費用を算出し、売却金額を提示してきたので、取得に至ったものです」

 次男が疑義を唱える家庭内教育を巡っては、

「特に厳しく接したと思いませんが、成長過程で親が指し示す方向性から外れた子どもも出てしまったということかもしれません」

 我が子に背を向けられた教育者が疑惑の格安国有地で始める小学校は、教育の場として相応しいものとなるのだろうか。

特集「安倍総理夫妻と親密!『日本会議』幹部の幼稚園に国有地格安払い下げ」より

週刊新潮 2017年2月23日号掲載

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