「小池百合子は総理の器にあらず」 因縁の敵・石原慎太郎語る

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■小池百合子は総理の器にあらず 「石原慎太郎」独占インタビュー第1弾(下)

石原慎太郎氏

“小池劇場”の次なるターゲットとなった石原慎太郎氏(84)インタビュー後半。話題は豊洲移転問題から、小池百合子都知事(64)本人へ。因縁の敵について、石原氏はこう喝破する。総理は到底、無理だ、と――。

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「もっとも、小池知事とは不思議な縁がある。

 彼女の父親(故・小池勇二郎氏)は、私が参院の全国区で初出馬した際に、大阪の選対本部長を務めてくれた。ただ、私が301万票という記録的な得票で当選したら、今度は自分が選挙に出ると言い出した。私は『それは無理ですよ、あなた』と止めたんです。でも、彼は私と同じ格好で、同じような演説をして出馬してしまった。その時には濱渦も選挙を手伝った。まぁ、残念ながら結果は落選でしたけどね」

■何を改革したいのか

 飛ぶ鳥を落とす勢いの小池氏率いる「都民ファーストの会」は、次期都議選で「60~70人を擁立すると言われます。予算編成に“私立高授業料の実質無償化”を盛り込んで公明党に配慮している。都議選後に“小池連合”が都議会の過半数を占めることはまず間違いない。ただ、彼女の最終目標は女性初の総理。そのため、都知事はそのステップでしかないのだと思います」(都政担当記者)。

「小池知事が総理だって? それは到底、無理でしょう。彼女には政治家にとって、また、リーダーにとって必要な発想力がありません。

 もちろん、レトリックは上手いんだろうけど、『東京大改革』を謳いながら、彼女が一体、何を改革したいのかがさっぱり理解できない。実際、あれだけの顧問団を抱えているのに、新しいアイディアは何も出せていないじゃないですか。

 それに、彼女の言う『黒い頭のネズミ』がどういう意味なのかは分からないけれど、顧問団ばかりを重用して、都の職員を信用しないように見える。これでは都庁のトップは務まりません。部下である都の職員こそ大事にしないと。

 軍隊だって、『突っ込め!』と命じても兵隊が動かないようでは話にならない。新任の士官に対して、ベテランの軍曹や伍長が『隊長殿、こうした方がよろしいのでは』と耳打ちするから軍紀が成り立つわけです。

 行政も上司と部下の信頼関係がなければ前に進まないし、結局は問題が生じてしまう」

■リーダーシップがない

「私の知事時代を振り返っても、都の職員は各々『現場』を持っていて、その問題点もよく把握している。彼らの声に耳を傾ければ、豊洲移転以外にも、喫緊の課題が山積していることが理解できるはずです。たとえば、都内には木造住宅が密集している木密地域が驚くほど多い。下町だけでなしに三軒茶屋の周辺にもそういう地域が広がっています。当然ながら、いつ起きるか分からない災害に備えて対策を講じる必要があるわけです。

 私が都知事の頃には、ディーゼル車の排ガス規制を手掛けたことで、喘息の患者から随分と感謝されました。ただ、あれは私ひとりの功績ではない。トラック業界に働き掛けるのはもちろん、警察や都の職員をはじめとする役人が、やる気を出して動いてくれた結果なのです。

 亀井(静香)とタッグを組んで進めた、羽田空港の国際化も同じです。あの時は、2人で当時の運輸省に乗り込んで次官を脅したんだ。すぐに15億円の調査費をつけさせて、滑走路の着工に繋げましたよ。

 要は、いまの彼女には役人をその気にさせるだけの発想力もリーダーシップもないんだ、残念ながら。いまの小池知事には都知事としての活躍は期待できそうもない。むしろあまり大きな期待などしない方がいいんじゃないか」

特集「『石原慎太郎』独占インタビュー70分!『小池百合子は総理の器にあらず』」より

週刊新潮 2017年2月23日号掲載

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