気がつけば30代、独身……結婚のきっかけをつかんだ「意外な場所」とは?

食・暮らし 2017年2月22日掲載

 ドラマ『東京タラレバ娘』が各所で話題を集めています。30代の主人公と同年代の女3人で相席フレンチに行くも、中々男性が相席してこないためクレームをつけると、店員に「みなさん20代の女性をご希望でして」と慇懃無礼に言われるというシーンもそのひとつ。

 ネット上でも「ゾッとした」「心が痛い」とアラサー女子たちから悲痛な叫びが飛び交いました。

 確かに恋愛市場、婚活市場では若さが重要なのでしょう。しかし、「出会いがない」と嘆く女性は、出会いのきっかけを自分の身の回りで限定しすぎなのかもしれません。

 現に、東京都心に住んでバリバリ仕事をし、生活を楽しんでいたにもかかわらず、地方に住む友人のもとに遊びに行ったときに、出会いのきっかけをつかんだ女性がいます。

 書籍『移住女子』から引用・紹介するのは、岩手県遠野市で「風土農園」を夫と営む伊勢崎まゆみさん。

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伊勢崎さんが暮らす岩手県遠野市。その地を流れる山谷川の上流にてご家族で。2016年には第二子も出産。(書籍『移住女子』より)

――刺激にあふれた生活を送っていたある日、同僚の男性が、結婚を機に田舎に引っ越すと言い始めました。地名を聞いてみると、岩手県遠野市。そんな場所、行ったこともないし、聞いたこともない。

「東京には何でもあるのに、なぜここを出ていくの?」

 私には理由がまったく分からなくて、この目で遠野ってやつを見てやろう、と冷やかし半分で彼が新しく住む土地を訪ねることに。それが、私と遠野との初めての出会いです。

 友達と2人で遠野に到着した日の夜、元同僚が、地元の友達との飲み会を開いてくれました。そこで遠野にパラグライダーポイントがあることを知ったのです。「やってみたい!」と言ったら、インストラクターを紹介してくれることになりました。

 翌日、インストラクターの男性と会うことになって、山谷川の上流のパラグライダーポイントから、2人で遠野の空を飛ぶことに。陸から見ている遠野の美しさとはまた違った印象で、7月の夏の遠野の田んぼ、山、森の緑の色、空の青さや、受ける風の気持ちよさに心を奪われました。

 きれいすぎる。そう思って空を飛びながら、同時にインストラクターにも恋をしました。それが、後に私の夫となる、伊勢崎克彦さんです。

 東京に戻ったあとも、遠野と克彦さんのことが頭から離れなくて、東京に帰った翌々月の9月に、遠野を再訪。

「もっとパラグライダーをやってみたくなって」なんて言い訳しながら、もう一度克彦さんに会う口実として、パラグライダーに乗せてもらったりして。遠野って、やっぱり綺麗だなぁと思っていました。

 滞在中はちょうど遠野祭りの期間で、克彦さんと一緒に行くことに。そうしたら、お祭りの最中に克彦さんが突然ぐったりしているおじいちゃんのところに駆け寄って、「酔っ払って歩けなくなったみたい」と、おじいちゃんをかついでどこかに消えていってしまいました。結局、初めて来たお祭りの会場で2時間ひとりぼっち。

 それまでの私なら、女性を一人見知らぬ土地に置いてけぼりにするなんてひどい!と思っていたかもしれません。けれど、このときはなぜかそうは思わなかったのです。困っている人がいるから助けに行くところ、やるべきことの優先順位がきちんと自分の中で決まっているところがかっこいいと感じました。そういう人に出会ったのも初めてで。

 それまではどんなお店で働いているかだったり、おしゃれかどうかだったり、あとは新しい情報を話し合える人かどうか、というところに魅力を感じていたもので……(笑)。克彦さんが、「今日は西から風が吹いてるなぁ」とか、山を歩いているときに「この苔、素手で触ってみて! 気持ちいいよ」などと言うたびに、とにかく楽しくておかしくて。

 彼が教えてくれる遠野の自然の豊かさはもちろん、彼の人柄にもどんどん惹かれていきました。不思議ですよね、それまでの私とは正反対の価値観を持っている人だったのに。

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 今まで出会わなかった人に出会い、今までとは違う価値観に触れる。そうした経験が、新たな出会いを運んでくるのかもしれません。

 実際に数百という移住のケースを見てきた『移住女子』著者の伊佐知美さんも「移住女子はモテる」と断言。書籍では、移住して結婚したという他の女性のケースも紹介しています。

「恋」と「出会い」に疲れたとき、ひとつの方法として移住を身近に考えてみてはどうでしょうか。

デイリー新潮編集部