「鈴木宗男」長女の自民党入りが許せない…「中川郁子」の憂鬱 

政治週刊新潮 2017年2月16日梅見月増大号掲載

 自民党の中川郁子(ゆうこ)代議士(58)にすれば、今も鈴木宗男氏(69)は義父・中川一郎氏の“逆臣”である。その長女の貴子代議士(31)も、お付合いしたくない存在かもしれない。むろん、貴子氏の自民党入りも許せないという。ところが、本誌(「週刊新潮」)が郁子氏に取材すると、何だか歯切れが悪く……。

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中川郁子代議士

 郁子氏が、貴子氏を巡って激しく動いたのは昨年12月。まず、問題視したのは、自民会派に所属する無所属議員の党政務調査会への参加だった。政治部デスクによれば、

「現在、自民会派に所属する無所属議員は、貴子さんを含め6名いる。12月初め、茂木政調会長が党の役員連絡会で彼らを“オブザーバーとして部会に参加させる”と発言。それを聞いた郁子さんは本来、総務会のメンバーではないが、わざわざ総務会に仲間の議員と出席、この問題はきちんと総務会で諮ってもらいたいとの意見を述べています」

 12月22日、長谷川岳参院議員(自民党北海道連会長代行)は、二階幹事長を訪ね、地元組織として貴子氏の入党に反対する決議文を提出した。この時も、

「郁子さんは、長谷川議員に同行し、反対意見を述べています。とはいえ、安倍総理と宗男さんは、昨年夏の参院選で新党大地の票を回す代わりに、次期総選挙で貴子さんを自民公認で出すことで合意したとされる。宗男さんは、この件で当時選対委員長だった茂木さんとの間で交わした覚書もあると言っていましたが、最近になって、記者にもその紙を見せています。郁子さんが危機感を募らせるのも当然でしょう」(同)

■反対していない

鈴木貴子代議士

 郁子氏の選挙区は、帯広市を中心とする北海道11区。中選挙区時代は「北海のヒグマ」と呼ばれた中川一郎元農水相の地盤で、一郎氏が亡くなった後、息子の昭一氏と秘書だった宗男氏が立候補し、激しい戦いを繰り広げてきた。郁子氏にとって宗男氏は、亡き夫・昭一氏の仇敵である。

 その長女が今更、自民党に戻るとは許せない。郁子氏がそう思う気持ちも理解できなくもないが、貴子氏の自民党入り反対の決議文について聞くと、

「いや、反対しているわけではありません」

 と、意外なことを仰る。

「自民党は、市町村支部があって、その上に選挙区支部があって成り立っているわけですよね。特に自民党が下野した際は、市町村支部の方が党を支え続けてくださった。11区の支部長さんたちは、(貴子氏の入党に)全員反対。党本部が色々なことを決める前に、地域の声を聴いて欲しいということなんです」

 自分の口からは、入党に反対とは一言も言っていないという。とはいえ、宗男氏が茂木氏と交わしたという覚書に関しては、

「実は、そんなものないんじゃないかという噂もありますよ。まあ、大したことは書いていないでしょうし、別に興味もないです」

 と、宗男氏が聞いたら激怒しそうなことも言う。

 地元記者はこう語る。

「昨年11月、帯広の会合で宗男と郁子が一緒になり、彼女の方が話しかけた。そこで、宗男が“表では愛想よくしても、裏では文句言ってんだろう”と言うと、彼女は黙りこくっていたそうです。彼女の後援会には、昔は宗男を応援していたが、小選挙区になって昭一を支援するようになった人もいる。ですから、露骨な宗男親子批判は、得策でないという意見があるのです」

 いつまで続く、表で本音を言えない憂鬱な日々――。

ワイド特集「女という商売」より