ドン内田に弓引く3人の自民党都議 百条委員会の設置を主張

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 東京都の千代田区長選(2月5日投開票)は、小池百合子都知事と“都議会のドン”と呼ばれる内田茂都議の代理戦争である。そのため、国政選挙並みの注目を集めていたが、ここに来て、身内から内田氏に弓引く動きがあるという。即ち、豊洲市場移転問題などで「百条委員会を設置せよ」と。

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 小池知事は自民党都連を“ブラックボックス”と呼び、都議会のドンの追い落としを画策している。

 さて、今度の区長選では、現職の石川雅己区長を小池知事が支援。新人の与謝野信氏を内田氏ら自民党都連が擁立した。昨年12月末、3人の自民党都議が「新風自民党」なる会派を結成したことは記憶に新しい。区長選の結果如何によっては、さらに“内田離れ”が進む可能性もあるという。

「実は、新風の3人とは別に、3人の自民党都議が内田さんに弓を引く計画を進行させています」

 そう明かすのは、都議会関係者である。

「都民の税金を吸血していた“黒いネズミ”を炙り出すべく、議会に強い権限を持ち、疑惑追及の場として使われる『百条委員会』の設置を主張するつもり。彼らは、ここで豊洲問題での不明朗な土地購入の経緯、費用の問題を追及しようというのです。さらに、東京五輪の施設建設に関する談合疑惑などにメスを入れることも考えています」

 これらを画策しているのは、舟坂誓生(ちかお)(葛飾区)、立石晴康(中央区)、近藤充(八王子市)の3人の自民党都議である。昨年、共産党は豊洲問題で百条委員会の設置を要求。結局、実現しなかったが、

「豊洲特別委員会で石原慎太郎元知事や浜渦武生元副知事を呼ぼうとしていますが、特別委員会は、参考人として出席してくださいという話に過ぎず、断ることができます。百条委員会は正当な理由がなければ断れませんし、嘘を言えば、罪にも問われます」(共産党の大山とも子都議)

 ブラックボックスの自民党都連は、豊洲問題にはフタをしたいはずである。なぜ、舟坂都議らは、敢えて百条委員会の設置を画策しているのか。都政担当記者が続けて言う。

「彼らは、元々ドン内田と距離を置いていて、選挙に弱い人たち。ここで百条委員会の設置を呼び掛ければ、他の自民党都議にとって踏絵になる。正義はこの3人にあるわけですからね。夏の都議選では、改革派として小池さんから支援を受けて戦うつもりでしょう」

 とはいえ、こんな声があるのも事実である。

「例えば、立石さんは人柄はいいが、仕事の面での評価は決して高くない。これまで、豊洲問題で発言したことはほとんどない。今のところ、次の都議選では自民党から公認されていません」(同)

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