MVPボクサー有力候補「井上尚弥」、次なる強敵は

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 日本ボクシングコミッションが1月24日、年間表彰の選考会を行った。例年その場で発表していたが、今回は主要な賞は2月10日の表彰式で明かされる。

 注目の最優秀選手(MVP)の本命は“神の左”ことWBC世界バンタム級王者の山中慎介(34)だが、ここでは対抗馬にご注目あれ。WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23)だ。

「年間2試合の選手が多い中、井上だけが3試合戦い、しかも内容も圧倒的で、MVPの名に恥じない」

 とボクシングに詳しいライターが語る。

「彼に足りない点を挙げるとしたら、知名度。12月30日にフジテレビ系が中継した世界戦も、日本人対決にもかかわらず、視聴率は1桁止まり。というのも、この試合に限らず、尚弥の試合は彼があまりに強すぎて、ゲームとしてちっとも面白くないのが原因です」

“強すぎて人気が出ない”とは皮肉なことだが、

「今年の井上は異次元に進化しそうです。わかりやすく言うと、テニスの錦織圭、ゴルフの松山英樹のような、年間数十億円を稼ぐ、世界の誰もが知るアスリートに大化けするかもしれない」

 そこで少しお勉強。

 ご存知のように、ボクシングの世界王者は、団体ごと階級ごとに数多いるが、本場・アメリカには団体や階級を超越した“パウンドフォーパウンド”という真の最強を判定するランキングがある。例えば15年に“330億円マッチ”を行ったメイウェザーとパッキャオもその1位になって世界的スターにのし上がった。

 現在の1位は、ニカラグアのローマン・ゴンサレス(29)。実は、井上と同じ階級のWBC王者だ。4階級制覇で無敗という触れ込みだが、それを言うなら井上も2階級制覇で無敗である。

「このゴンサレスと尚弥が、年内に統一戦を行う可能性があるのです」

 アメリカの有力メディア「ESPN」もこの二人を“今年楽しみな対戦”の一つとして挙げている。

「しかも、尚弥なら勝つ可能性が十分ある。そうなれば、世界のボクシングシーンは彼中心に動く、と言っても過言ではありません」

 以後、お見知りおきを。

週刊新潮 2017年2月2日号掲載

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