綱取りより難しい「稀勢の里」の嫁取り 初恋は幼稚園の先生

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 大逆転で横綱・白鵬を土俵の上に転がした瞬間、テレビの前で快哉を叫んだ方も多かったのではないか。「7度目の正直」でついに第72代横綱の座をもぎとった稀勢の里(30)。綱取りの後は嫁取りを――そんな声もあがるが、こちらもすんなりとはいきそうもない。

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 相手を打ち負かしても決して表情を変えることなく悠然と土俵上を歩き、勝ち名乗りを受ける。そのふてぶてしい顔、態度は「憎らしいほど強い」と言われた大横綱・北の湖を彷彿とさせるが、相撲協会関係者が言うには、

「北の湖さん本人は“稀勢の里と似ている”と周囲から指摘されると、“いやいや、俺はあんなふうじゃないよ”と言っていました。顔が似ている似ていないは別にして、相撲の実力では、稀勢の里は自分の足元にも及ばない、という思いがあったのでしょう」

 相撲協会が「北の湖理事長体制」だった時期にも幾度も綱取りに挑み、いずれも失敗に終わった稀勢の里。そのふがいなさに嘆息していたに違いない北の湖が、今場所の稀勢の里を見ていたらいかなる感慨を漏らしただろうか。三代目若乃花以来、19年ぶりの日本出身横綱の誕生。それは稀勢の里本人にとってだけではなく、長らく、角界全体の悲願だったのだから――。

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