内館牧子さん看板女優に 入魂の文士劇が東京公演

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1月28日と29日に紀伊國屋ホールで上演される「みちのく平泉 秀衡と義経」

 役者ではなく、作家や文化人が演じる文士劇。著名作家が続々と出演していたにぎやかな文士劇は途絶えて久しいが、今も拍手喝采を浴びている場所がある。

 それは盛岡。一時休止していたが、1995年に地元在住の直木賞作家、高橋克彦さんが座長となり復活。人気作家らが駆けつけ、すっかり年の瀬の名物なのだ。

 この盛岡文士劇が、東京の地で初めて出張公演を行う。1月28日と29日に新宿の紀伊國屋ホールで上演される「みちのく平泉 秀衡と義経」(脚本・道又力、演出・長掛憲司)がその作品。平安時代の末期を舞台に、奥州に君臨した藤原秀衡、そのもとに迎えられた源義経らの姿を描く。

 秀衡は歴史に詳しい作家の井沢元彦さん、その妻役は看板女優と呼ばれるほど、よく出演している脚本家の内館牧子さん。さらに、源頼朝は作家の平野啓一郎さん、後白河法皇に日本文学研究者のロバート キャンベルさん、北条時政に言語学者の金田一秀穂さんと実に多彩な顔触れ。義経は地元民放の女子アナ、米澤かおりさんが演じる。

 有名人の姿でわかせる素人芝居かと思えば、とんでもない。高橋座長が語る。

「毎年12月の盛岡公演に向けて10月から28回の稽古をします。最初は遊び心で来た人も稽古の本気度を見て、しっかりしないと本番で浮いて恥をかくのは自分だと気づくのです。皆さん忙しいので全部の稽古には出られませんが、井沢さんは10回ほど、他の人も5回ほど盛岡に泊まりがけで来ています」

 特訓もある。もはや本格的な劇団のレベルなのだ。

「念願の東京公演ですが、このたび私はナレーター。連載の仕事があって稽古に出られず、それでは申し訳ないからです」(同)

 木戸銭は6500円也。

週刊新潮 2017年1月19日号掲載

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