職人の技術料込み「10万円」石鹸、純国産オーガニックの今治「プラチナタオル」 日本の超高級ガイド

食・暮らし週刊新潮 2016年12月29日・2017年1月5日新年特大号掲載

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〈ムダに高いモノもある日本の超高級ガイド2017(3)〉

■不可能を可能にした石鹸

 身近な日用品の世界にもこだわりの逸品がある。

 安いものなら3つ入りで100円、200円程度なのに、桁違いの10万円(税別)という価格で売られている石鹸を見つけた。

 扱っているのは、「バロックス」(本社・大阪市)なるオリーブオイル専門のメーカーだ。同社の清水路・営業企画課長が説明する。

「南オーストラリアにある工場で、完熟オリーブを収穫したその日のうちに搾り、無濾過のオリーブオイルを製造しています。そのオリーブオイルを美容製品にも使えないかと、『FAIV KEI』という石鹸を開発しました」

10万円の石鹸

「FAIV KEI」の最大の特徴は、成分の9割以上がオリーブオイルであることだ。

「一般的な石鹸は、油脂が約1割、水が約7割で、それを固形にするための水酸化ナトリウムなどが約2割という比率。オリーブオイルが9割以上の石鹸を作ろうと、日本全国のあちこちの工場、石鹸職人に話を持ち込みましたが、“固めるのが不可能”と断られ続けました。そんなある時、特殊技術を持つ京都の石鹸職人に出会い、遂に『FAIV KEI』を誕生させることができたのです」(同)

 おそらく、日本で唯一人、その技術を持っている石鹸職人で、名前やプロフィールなどは企業秘密のため明かせないのだとか。

「石鹸職人の技術料が入っていることも、『FAIV KEI』が高額になった理由の一つです。また、高品質のオリーブオイルに加え、月下美人という花のエキスを香りづけに使っていて、それも価格に反映している。やはり、最高級石鹸に合成香料を使うことはできませんから、自社の畑で手間暇かけて月下美人を栽培し、天然の香料を抽出しています」(同)

 12年の発売以来、約100個が売れているという。では、肝心の使い心地はどうか。本誌(「週刊新潮」)の女性記者が試してみたところ、

「ネットに石鹸を入れて泡立てると、ナチュラルで上品な香りがしてきて、なんだか、それだけで癒されました。泡はとても軽く、顔につけるとすっと消えるから、密着するような泡の立つ洗顔フォームを使っている人には物足りなく感じられるかもしれません。でも、メイクはすっきりと落ちて、それなのに肌は潤い、つっぱり感はまったくなかった。使用後は、過剰な皮脂が浮いてこなくて、化粧崩れしないのにも驚きました」

 洗顔だけなら、使用できるのは約100回。つまり、1回あたり約1000円である。ムダに高いと言えなくもないが、エステに行ったつもりになれば、それほど高くは感じない?

■今治「プラチナタオル」

農薬も一粒の化学肥料も用いずに綿花を栽培している

 高級石鹸で顔を洗った後は、タオルもそれなりのものを使ってみたくならないか。そこで、タオルと言えば、やはり今や定番の“今治タオル”。なかでも、「しまなみコットンファーム」(愛媛県今治市)が販売する「プラチナタオル」はその名の通り、お値段もハイグレードで3万円(税別)という。

 加地敏勝社長によると、

「うちは、一滴の農薬も一粒の化学肥料も用いずに国産の種で綿花を栽培することから始め、タオル加工までの全部を手掛けています。純国産であること以外にこだわっているのは、スーピマ綿という超長綿を使用しているところです。超長綿は、繊維の長さが一般的な綿の1・5倍、35ミリ以上もあります。でも、重さにして、一般的な綿の6割程度しか収穫できない。だから、値段が高いのです」

「プラチナタオル」

 普通の今治タオルに使用される綿糸の原価は、1キロあたり約1000円。一方、プラチナタオルの場合、1キロあたり約5万円だという。

「ですから、実は、『プラチナタオル』の原価率は8割にもなります。大判のバスタオルサイズにすると、価格が5万円にもなってしまうため、少し小さめの60×120センチのサイズにしました。オーガニック素材なので、肌が弱い人や、アトピーの人も安心して使っていただけます。家族全員が敏感肌だという方が、3、4枚まとめ買いされたり、また、スキンケアが大事な芸能人の方にもご愛用いただいています」(同)

特集「ムダに高いモノもある日本の超高級ガイド2017」より