トランプ側近の“悪役”一覧 反イスラムから悪魔肯定まで

国際週刊新潮 2016年12月1日号掲載

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 我が国の政界でも最近は大臣が失言すると、問答無用でクビになったりする。ところが、トランプ政権では、そんな人物がむしろ登用されている。何しろ、公然と反イスラムを唱えたり、「悪魔もパワーだ!」と言ってのける悪役が続々とホワイトハウス入りしているのだ。

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 新政権で安全保障担当補佐官に就任するのがマイケル・フリン氏である。イラク戦争などに従軍し、オバマ政権では国防情報局長として活躍した。ところが、対イラン政策をめぐって対立し、2014年に解任されると今度は顧問としてトランプ氏に寝返った。

 福井県立大学の島田洋一教授によると、

「フリン氏は著書でイランに対して非常に厳しく臨むべきだと主張している。ご存じのようにオバマ政権はイランと核合意を結んだのですが、彼の政権入りで対イラン政策は一転して厳しいものになると思われます」

 巨額の対イラン投資を再開した日本政府は、いきなり梯子を外されるかも知れない。が、むしろ気になるのはフリン氏がイスラムそのものを敵視していることだ。以前、ツイッターに、

〈イスラム教を恐れることは理にかなっている〉

 と書き込んで有色人種団体から反発を受けたことがあるが、イスラム教徒の信仰そのものが問題の根源と発言したこともあり、確信犯的な「反イスラム」と見ていい。

 また、司法長官に起用されるジェフ・セッションズ氏(69)は上院で最初にトランプ支持を打ち出した人物。

「トランプ氏の不法移民を強制送還するという発言にいち早く賛同したのもセッションズ氏です。新政権の司法長官になれば1100万人いる不法移民の摘発は現実のものとなるでしょう」(前出の島田氏)

■闇は良いことだ

司法長官に起用されるジェフ・セッションズ氏

 そのセッションズ氏、1986年に連邦判事に指名された際、白人至上主義の団体「KKK」を容認する発言で人種差別主義者として批判され、上院から承認されなかった過去がある。

 極め付きは、首席戦略官・上級顧問に就任するスティーブン・バノン氏(62)だ。バノン氏はネットニュース「ブライトバートニュース」の経営者で、一貫してトランプ氏を擁護する記事を発信してきた。

 国際ジャーナリストの堀田佳男氏が言う。

「バノン氏について報じられた内容によると、彼は極端な白人至上主義で、反ユダヤ主義者です。ユダヤ教徒のクシュナーが側近に起用されると政権の火種になりかねません」

 ぶっ飛んだキャラの持ち主であることは、11月18日に報じられたインタビューでもよく分かる。

〈闇は良いことだ。ディック・チェイニー(湾岸戦争時の国防長官)、ダース・ベイダー、悪魔、これらはパワーだ。リベラル派が間違いを犯した時にだけ助けてくれる〉

 この他、「レイプ被害者でも中絶は認めない」と発言した次期CIA長官のマイク・ポンペオ下院議員など、暴言失言のデパートみたいな政権である。

「信頼できる指導者」の部下がこれでは、先が思いやられますよ、安倍総理。

特集「世界が安堵した裏に『トランプ大統領』の闇」