大谷翔平、ベストナインW受賞 「メジャーでも二刀流」実現の可能性

野球週刊新潮 2016年12月8日号掲載

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「少年野球じゃあるまいに」「どちらかに専念しろ」という批判の声はもはや聞こえなくなった。“二刀流”大谷翔平(22)――記者投票で決まるベストナインに、彼は「投手」「DH」の2ポジションで選出された。

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 プロ野球史上初の快挙だが、異論がないではない。

 というのも、彼のシーズン成績は、投手としては10勝、打者としては22本塁打。15勝を挙げたソフトバンク・和田や、35本塁打を放った西武のDH・メヒアに大きく水をあけられ、決してパ・リーグ随一の投手でもDHでもないのである。

「でも、今の日本球界のスターは彼しかいませんから」

 とはスポーツ紙デスク。

「さんざん書き尽くしてネタ切れ状態なので、W受賞は本当に大助かりですよ」

 そのために、従来の“同一人物の複数ポジション選出禁止”というルールを変更したというのだからご苦労なことである。

 大手紙日本ハム担当記者が話を継ぐ。

「我々記者だけでなく、日ハムも大喜びですよ。大谷の価値が上がれば、メジャーによる入札時に受け取れる譲渡金もアップしますから」

 もっとも、現制度下では譲渡金に“2000万ドル”の上限が設定されている。

「そのため、先日、外国特派員協会で行われた会見で栗山監督は、譲渡金上限の撤廃を提言していました。まあ、メジャー側が撤廃を承諾することはありえないと思いますが、日ハムは交渉上手な球団ですから、大谷をダシにして、毎年自動更新される現制度の見直しを訴えれば、上限を4000万ドル程度に引き上げさせることくらいはありうるのではないでしょうか」(同)

■ベーブ・ルースの古巣

メジャーでも二刀流?

 それはさておき、大谷の“W受賞”はアメリカでも話題沸騰中。メジャー公式サイトでは、ベストナインの選出方法などを含めて詳しく報じている。

 メジャーのスカウトたちも俄然色めき立ち始めた。

「彼は、ピッチングもバッティングもアメリカで伸びる余地がまだまだある。メジャーで活躍する日が楽しみです」

 と、ヒューストン・アストロズ環太平洋担当部長の大慈彌(おおじみ)功氏が目を細める。

 別のスカウト氏も、

「こうなると、大谷本人が“二刀流を続けたい”と言えば、それを叶えようとする球団がきっと現れる。契約年数も、投手なら最長6年がいいところですが、打者としての要素を加味して7年、8年と延ばし、契約総額を上げてくる獲得戦術も考えられる。本人の意思次第で“メジャーでも二刀流”が実現するかもしれない」

 メジャー評論家の友成那智氏に移籍先を占ってもらうと、

「レッドソックスでは、“最強のDH”と呼ばれた主砲オルティスが今季限りで引退。この穴に大谷が対右投手専用DHとして入り、先発投手も務める……となれば大きな話題となる。レッドソックスは、ベーブ・ルースがメジャー史上唯一の“二刀流”の記録を作った球団ですしね」

 もっとも、“メジャー二刀流”を危惧する声も。

「正直言って、日本の投手たちは、“球界の至宝”を傷つけることを恐れて、インコースを攻めない。でも、メジャーはもちろんそんなに甘くなく、平気でぶつけてくる。そもそも、クロスプレーなど負傷の危険性は投手より野手の方が格段に高い。大谷の打棒は認めるにしても、大枚はたいて獲得した選手にあえてリスクのあることをやらせはしないはず」(先のデスク)

 でもやっぱり見たいなぁ。

ワイド特集「1度目は悲劇 2度目は喜劇」より