石破茂前地方創生相、二階幹事長に「党の利益になるのか?」 本人が語る復党問題

政治 週刊新潮 2016年12月1日号掲載

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 剛腕ゆえに、二階俊博自民党幹事長(77)は、永田町の妖怪とも評される。現在、禍根を残しながら党から去っていった元参院議員らの復党を画策中である。しかし、それに対し、“党の利益になるのか?”と反発を強めているのが、石破茂前地方創生相(59)だ。ポスト安倍の筆頭候補は、復党問題についてかく語りき――。

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バトルの行方は?

 11月16日の午後、二階幹事長と自民党本部で会談しました。鳥取選出の川上義博元参院議員を復党させる動きを見せていることに反対の意を示すためです。

 その場に、鳥取県連側は会長である私だけでなく、赤澤亮正代議士らもいて、二階さんの方には林幹雄幹事長代理なども顔を揃えていました。

 会談時間はわずか15分ほどでした。二階さんは、「党の公認で、川上さんを選挙に出すことはない」と明言していましたが、「復党させない」という言葉はなかった。

 しかしながら、川上さんを復党させたところで、自民党の利益になるのか、日本にとってプラスになるのか、まったくもってわかりません。

 郵政民営化への造反で離党し、2007年の参院選挙では、川上さんは民主党の公認候補として自民党候補を打ち負かした。そして、当時の小沢一郎幹事長の側近であることをアピールし、野田佳彦政権が誕生すると、首相補佐官に登用されました。

 同じ郵政造反組でも、野田聖子代議士や山口俊一代議士などのように、刺客を立てられても無所属で勝ち抜き、のちに復党して活躍されている政治家とは違います。

 古巣である自民党を徹底的に批判し、民主党で地位を得ていた川上さんを戻すのは、常軌を逸しているというほかありません。

■幹事長とは

 鳥取県連では、川上さんの復党に誰も賛成していない。自民党は都道府県連で成り立っている政党です。

 鳥取県連の承諾なしに、党本部が復党のゴーサインを出すのは筋違いです。

 私自身、1993年に自民党を離れ、新進党に参加しました。その後、政策と自分の主義信条との間に隔たりが生じ、新進党を抜けたのです。

 そうしたところ、当時の加藤紘一幹事長が復党要請をしてくれたものの、そこからが辛かった。なんで、戻ってくるんだと白い目で見られましたし、半年かけて、各支部の支部長や女性部長などの家を一軒一軒まわって復党を認めてもらったのです。川上さんが、そういったことをしているとは耳にしていない。

 二階さんは、私よりも政治家としての経験は長いですし、新進党でも一緒に活動していましたから、個人的には何の遺恨もない。

 ただ、幹事長としてはいま一つ、何をしたいのかわかりません。幹事長とは、派閥のためではなく、党のためにはたらくものです。つまり、党勢の拡大のために尽力し、自らの勢力拡大を考えてはならない。

 本来、二階さんは県会議員からのたたき上げの政治家だから、地方を蔑(ないがし)ろにするトップダウンの手法とは縁遠いはずです。

 派閥の人数を増やすことによって、二階さんは総理総裁を目指そうとしているのか、それとも、二階派から誰かを擁立しようとしているのか。

 いずれにしても、幹事長ならば、その立場を利用することで、党内に不協和音を生じさせてはならないのです。

ワイド特集「希望とため息のストライプ」より